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CASE94 糖尿病を抱える設備員が、暑さで動けなくなる!―治療と仕事の両立を図るには―

2025/09/25 10:00

【事故エピソード】

地上8階、地下1階のビル設備管理を担当するAさん(68歳男性、勤務歴3年)、朝8時から午後4時まで、他の社員と交代で、週3日~4日の勤務している。
この日の気温は30度を超えていた。昼過ぎから設備の日常巡回点検に回り、屋上に設置されている電気設備のメーターの検針、排気ファンなどのプーリー部のベルト確認などを終えて、建物内の機械室を順次点検していた。巡回開始から1時間半ほど経過した時、階段で移動中に足元がふらつき、めまいもしてきたので、踊場でしばらく休んでいたが、そのまま動けなくなってしまった。
幸いビルの利用者が気づき、救急車を手配してくれたので、大事には至らなかった。
軽い熱中症と血糖値の異常が見られたようだ。Aさんは50代になって、2型糖尿病と診断され、定期的に通院していたという。

[1]病気を抱えていても仕事がしたい

病気を抱えつつも仕事を続けている人はたいへん多くなっています。さらに、病気になっても仕事を続けたいと思っている人は、92.5%(平成25年厚生労働調査)に上っています。   
ビルメンテンス業では、Aさんのように、第二の職場として就職する人や、清掃業務のようにパート雇用が主体となっていることから高齢者の雇用の受け皿にもなっています。しかし、勤務形態によっては健康診断の実施対象になっていない人も多いので、事例のような持病、既往症など健康情報の把握が十分でない状況にあります。

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