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CASE95 コンセントを差し替えたら火花がとび、火傷を負う!―電気機器の定期的点検と異常時の対応―

2025/10/25 10:00

【事故エピソード】

オフィスビルのカーペット床をコード付きのバキュームで清掃していたA子さん(63歳 女性、勤務歴7年)、バキュームが急に停まってしまったので、コードを伸ばし過ぎたかなと思い、近くにあったコンセントに差し替えた。すると、突然プラグ部分から火花が飛んで、右手の親指、人差し指を火傷してしまった。
火傷の程度はそれほど酷くなかったので、予備のコードレスバキュームで清掃を行い、病院へは行かなかった。
翌日A子さんは、最近バキュームの調子が悪かったこと、昨日コンセントに差し替えたところ火花が散って火傷したことを営業所の管理者に伝えた。管理者からは「代わりのバキュームを届けるので、故障したものは絶対使わないこと。念のため病院で治療を受けるように」と指示を受けた。

[1]電気機器、おかしいと思ったら必ず報告。点検、修理を依頼する

A子さん、最近バキュームの調子が悪く、時々停まったりしていたようですが、そのことを管理者に報告していませんでした。電源コードやプラグ部分は、中の破線・断線など、外側からでは気が付きません。
“時々停まる”には何らかの原因があるはずですから、作業者は少しの異常でも必ず管理者に報告し、点検、場合によっては修理してもらうことが重要です。

[2]日々の点検で異常の早期発見と正しい機器の操作

電気機器に限らず、使用する機材は長年使用していれば必ず劣化や故障が起きます。また、コードの巻き方、保管方法によっても、故障を引き起こす原因となりますから、管理者は、機械器具の保管、管理状態などを定期的に確認することが重要です。

作業者からも、焦げ臭いにおいがする、プラグ、コードが熱くなるなど少しの異常も見逃さないように聞き出すことが重要です。さらに、作業者は下記の手順に沿って、日々点検を行いましょう。

点検方法の図
作業開始前の点検
電気器具は、電源を入れる前に、電源コードの破損、ねじれなど無いか点検しましょう。
この時、濡れた手で機器を扱ってはいけません。
作業中の点検
コンセントの差し替えは、必ずプラグ部分を持って行いましょう。
使用中に異音がしたり、異常な停止があった場合は、元電源を切って点検しましょう。
分からない時はそのまま使用せず、必ず管理者に報告しましょう。
作業終了後の点検
作業終了後は、コードを無理に結んだり、折り曲げたりせず、元の置き場所に戻しましょう。
異常があった場合や気になる点は確認して管理者に報告し、翌日の作業に支障がないようにしましょう。

[3]事故の型を正確に捉える 電源ショートによる火傷は「感電」!

今回の事故、A子さんが正確に管理者に報告したことで、その後の対処も正しく行われました。「感電」時の火傷と、高温物との接触による火傷とは全く異なるものです。
もし、単純な「火傷」として報告していれば、原因となったバキュームを誤って誰かが扱ってしまい、再度同様の事故を招いたかもしれません。100Vの電源でも死亡事故が発生しています。
さらに、感電による火傷は一般の火傷と異なり、皮膚の内部組織など深部の損傷もあり、見た目以上に重症の可能性があります。管理者の「病院での治療」は適切な対応だったと言えます。

私たちが、事故の型にこだわる理由は、起きた事故のリスクを分析し、再発防止対策の方向性や対策の優先順位を考えたいからです。
また、事業場ごとの事故の特徴をつかむことや、ビルメンテナンス業界でまとめている災害発生統計との比較も出来ます。

国の定めた労災事故の型別分類を表にまとめましたので、参考にしてください。
転落と転倒、激突と激突されなど判断に迷うことがありますが、発生場所、事故の主体が人かモノかによって区分しましょう。
ビルメンテナンス業界で比較的多く発生している事故に網掛けをしました。

厚生労働省の事故の型別分類(21分類)

1
墜落・転落
はしご、階段など高低差のある場所から落ちる。
2
転倒
平地(高低差なし)で倒れる。
3
激突
人からモノにぶつかる場合(人が主体)。
4
飛来・落下
モノが飛来・落下・倒れて人に当たる。
5
崩壊・倒壊
足場や建築物が崩れる。積荷や立てかけた物が倒れた場合も。
6
激突され
モノ(台車や吊り荷等)が人にぶつかる(モノが主体)。
7
はさまれ・巻き込まれ
機械・ドアなどにはさまれる、巻き込まれる。
8
切れ・こすれ
刃物・工具による切傷。
9
踏み抜き
床、スレート屋根、釘などを踏み抜いた場合。
10
おぼれ
水中に墜落しておぼれる場合を含む。
11
高温・低温物との接触
高温・低温のものに触れ火傷などを負う。
12
有害物との接触
放射線、レーザー光線、CO₂中毒、酸欠空気など。
13
感電
帯電体に触れたり放電の衝撃(ショート)を受ける。事故による火傷は「感電」として扱う。
14
爆発
一般的な爆発、水蒸気爆発を含む。
15
破裂
容器や装置が破裂した場合。
16
火災
火災による被災。
17
交通事故(道路)
道路交通法の適用となる場合。
18
交通事故(その他)
船、飛行機、列車、電車などの事故。
19
動作の反動・無理な動作
重い物を持ち上げてぎっくり腰、すじ違え、くじく等。
20
その他
上記に該当しない事故。
21
分類不能
分類判断材料に欠ける場合。


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