

CASE93 自転車移動中、暑さでふらつき、ブロック塀に激突!―熱中症が原因の事故にも注意―

【事故エピソード】
清掃現場リーダーのAさん(71歳、勤務歴10年)、午前中の現場の作業を終え、昼食休憩を取ったあと12時40分ごろ、次の現場に向かった。
その日は残暑が厳しく、外気温度は32度を超えており、Aさんは徒歩では20分以上かかるので、自転車で移動することにした。住宅街の狭い道路をゆっくりと走っていたが、Aさんは少し頭痛を感じながらも、もう少しで現場に着くと思い、休むことなく自転車を走らせた。
そのとき、前方から乗用車が来たのでそれを避けようとしてハンドルを切ったところ、よろけてしまいブロック塀に激突、転倒。左肩と側頭部の挫傷、足首を骨折する重傷を負ってしまった。
乗用車のドライバーが救急車を呼び、病院に搬送されたがAさんは救急隊員の質問に対し、意識がもうろうとしていて、はっきりとした回答ができなかったという。熱中症の症状が出ていたようであった。
[1]作業現場だけでなく、移動中も注意!
6月のクリニック(CASE91 住民の通報で救急車を手配、大事に至らなかった!―熱中症対策、難しい一人現場の対応―)でも熱中症対策をお届けしましたが、記録的な暑さにより熱中症が多発しています。
さらに今年は9月以降も猛烈な残暑が続く予報なので、改めて取り上げることとしました。
事例のように熱中症は作業現場だけでなく、移動中にも発症する可能性があります。徒歩はもちろん、自転車、バイクなど直接炎天下を移動する場合は、作業現場と同様の予防対策を行いましょう。
また、徒歩や自転車等を使って移動する場合は、熱中症による疾病だけでなく、熱中症に起因する交通事故などを引き起こす原因にもなりますので、自動車や公共交通機関(タクシー含め)など移動手段にも十分配慮しましょう。
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