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いまさら聞けないChatGPT(生成AI)講座 【応用編】第6回

2025/09/08 09:30

今回はChatGPTの「GPT-5モード」と「あらゆる学びをサポート(学習モード)」を取り上げます。

1.GPT-5

久々の大型アップデートとなったGPT-5の登場。
今までのGPTナンバリングの公開年月を一覧表にまとめました。(図1)

ChatGPTの進化

図1 ChatGPTの進化

世代 公開年月 特徴 主な進化ポイント
GPT-3 2020年6月 1750億パラメータ、ゼロショット性能 大規模モデルの登場で自然言語処理の可能性を示す
GPT-3.5 2022年11月 ChatGPTの基盤、指示追従が強化 会話特化、一般ユーザーに普及し生成AIブームを牽引
GPT-4 2023年3月 マルチモーダル(テキスト+画像)、高精度 幻覚減少、長文(128kトークン)、実用化レベルへ
GPT-5 2025年8月 マルチモーダル深化(テキスト・画像・音声・動画)、高度推論 長期文脈処理、速度・効率改善、モード自動切換え、「知的パートナー」へ

ChatGPTが一般に無料公開されたのは2022年11月で、公開初期はGPT-3とGPT-3.5が切り替えて使えました。
前回のGPT-4登場が2023年3月ですから2年半もの期間がかかりました。
ただ、GPT-4には、GPT4.1、GPT4.5、GPT4o(フォーオー)など派生モデルがあります。また、推論モデルとしてOpenAI O1(オーワン)やO3(オースリー)、O4miniなどがあります。

今回のGPT-5では、言語モデル選択の煩雑さを解消するため、ユーザーからの文章入力(プロンプト)に応じて即時回答か推論モードかを自動的に切り替えられるようになっています。

そのため、言語モデル選択のセレクターがスッキリしました。(図2)

実は、GPT-5の登場時は、即時応答と推論スイッチングがうまく機能しなかったり、4oで慣れ親しんだ温かみのある回答と比べるとそっけない回答が批判に遭い、即時回答の「Instant」や推論モードの「Thinking」に加えてレガシーモデルとして「GPT-4o」や「GPT-4.1」、「o3」、「o4-mini」などが選べるようになった経緯があります。
レガシーモデルを選択できるようにするには、ChatGPTメイン画面左下の設定から「一般」→「追加モデルを表示する」のスイッチをオンにします。(図3)

それでは、GPT-5とGPT-4oでの回答の違いの一端をご覧いただきましょう。
「秋のシルバーウィークで高齢者に喜ばれる贈り物を教えて」という質問をGPT-5にしてみました。(図4)

文章での回答でまとめられているのがわかります。
同じ質問をGPT-4oにもしてみました。(図5)と(図6)

写真画像が出てきたり、おススメのショッピングサイトのページも表示されました。
このように、日常生活に関する一般的な質問では4oの回答が好まれるケースが多いものと思われます。
一方、専門的な知識について「ビルの内壁塗装の塗料についてホルムアルデヒド等級の詳細と国内の使用状況を調べてください」という質問を送信してみました。(図7)

1分36秒の思考時間を経て、要点を先にまとめて「等級の見方」、「面積制限の説明」、「禁止になり得る塗料の種類」「国内の使用状況」「試験・表示と実務の確認ポイント」「発注/仕様書づくりのチェックリスト」「よくある誤解」などが網羅されてレポートのようになっています。

次に、同じ質問を4oで送信した結果です。(図8)

こちらはシンプルに「ホルムアルデヒド等級の制度と分類」「日本国内における実際の使用状況」「まとめ:要点整理」と「実務へのアドバイス」がまとめられました。
やはり、専門性が高い質問にはGPT-5の方が深く幅広く回答してくれる傾向があるようです。
これらの違いを念頭に入れて、どの言語モデルを選択するかを検討されると良いですね。

また、ChatGPTのモバイルアプリでも、デスクトップアプリでもGPT-5が利用できますので、アプリは最新版にアップデートしておきましょう。

2.あらゆる学びをサポート(学習モード)

ChatGPTは調べ物をするときに活用されますが、答えを単純に知りたいだけではなく、物事をしっかり学んで実力をつけたいという用途にも使われ、その時に大いに役立つのが新機能の「あらゆる学びをサポート(学習モード)」です。
チャット入力欄の左側にある「+」マークをクリックすると「あらゆる学びをサポート」が選べます。(図9)

このモードでの学びの使い方を見てみましょう。
「あらゆる学びをサポート」を選ぶとチャット入力欄の下に青い文字で「勉強する」が表示されます。
試しに「ビル設備管理技能士2級の学科試験の問題を3問出して」と送信してみます。(図10)

するとあっという間に模擬演習を始めてくれました。(図11)

では、1問目の「非常用照明器具についての説明」の問題に解答を送信してみます。4択の問題で番号が振られているので、この場合は選択肢の番号だけ送信すれば済みます。(図12)

さて、「3. 通常時は必ず点灯していなければならない」は誤りだったようです。正解の選択肢を提示するだけでなく、考え方までも添えて教えてくれていますね。

全3問の解答を送信した後には「次は もう少し難しめの計算問題タイプにも挑戦してみますか?それとも 今回のような基礎知識問題を増やすのがよさそうですか?」と促してきました。
では、「もう少し難しめの計算問題タイプ」をリクエストしてましょう。(図13)

計算を間違えても正解にたどり着くための考え方を解説してくれました。(図14)

スマホでもこの学習モードは使えます。(図15)

アプリは常に最新版にバージョンアップしておきましょう。スマホで通勤時間帯や休憩時間など、いつでもどこでも利用できますね。

最後に、この学習モードが活用できる場面をChatGPTにまとめさせました。(図16)

※生成AIは誤生成(ハルシネーション)を起こす可能性もありますので自己責任で使いこなしましょう。

さて、ChatGPTの応用編いかがでしたでしょうか。

次回からは、ChatGPT以外の生成AIについて解説していきますのでお楽しみに。

※この記事にはChatGPTで生成された内容が含まれます。

【応用編】
第5回:chatGPT新機能「エージェントモード」について
第4回:動画生成「Sora(ソラ)」について
第3回:「GPTs機能のご紹介(後編)」
第2回:「GPTs機能のご紹介(前編)」
第1回:「Canvas 機能について」
【基礎編】
第6回:「ChatGPT以外の生成AIツール」
第5回:「ブルーオーシャンも見つかる”攻め”の使い方」
第4回:「経費節約」につながる使い方
第3回:「ChatGPTに質問する」、「ChatGPTの各種機能・画面解説」
第2回:「ビジュアル機能」と「ビジネス活用での注意点」
第1回:生成AIのChatGPTって何?

【著者紹介】

杉山 貴思(すぎやま たかし)


【現職】G-word(グッドワード)代表
【肩書】次世代人工知能学会副会長/ソブリンAIプロデューサー/ビジネスコンサルタント

ChatGPT 等の生成AIを中心にテーマとして全国で登壇活動をこなす。衆議院会館や国連大学、早稲田大学、学習院大学、山形大学等で登壇し、生成AIのデモンストレーションが参加者から好評。国内初の(一社)日本情報技術協会認定AIプロデューサーで企業・組織のイノベーションを指導する実力者。複数の大学教授らとのAI研究に参加。ECコンサルタントとしても多数の実績がある。小冊子やハンドブック、雑誌コラムなど執筆もこなす。YouTubeに最新のビジネス情報を公開し、大学関係者や企業家等から好評を得ている。
【Webサイト】
https://www.g-word.jp/
https://ameblo.jp/g-word