

いまさら聞けないChatGPT(生成AI)講座 第6回
1.ChatGPT以外の生成AIツール
前回まで、生成AIについてChatGPTの基本機能を中心に解説させていただきました。
多くの方がご存じのように、生成AIはChatGPTの成功により、競合サービスが次々に台頭しています。
今回は、ChatGPTの主要な競合サービスについて、知名度の高いものを中心にご紹介いたします。
1-1.Microsoft 365 Copilot(コパイロット)
URL:https://www.office.com/
モバイルアプリ:あり
開発:Microsoft(マイクロソフト)
WordやExcel、PowerPoint、Outlook、TeamsなどにCopilotが組み込まれ、簡単な指示でファイルづくりが捗ります。無料版にサインアップも可。ブラウザのedge(エッジ)にもCopilotが組み込まれてMicrosoftがAI普及に攻勢をかけています。バックグラウンドにOpenAIのGPTシリーズ等の技術が採用されており、ChatGPTユーザーには馴染みやすいでしょう。
マイクロソフトオフィスのWebサイトがそのままCopilotの入り口になっています。(図1)

1-1-1.Word(ワード)
ワープロアプリのWordでは、テーマを決めた文章をまとめさせる指示等ができます。(図2)
適切にレイアウトされた文面がその場で完成します。(図3)
文章に合うイラストも描いて文面に挿入できます。(図4)
※Designer機能は、Microsoftアカウントで個人的に使用できます。



1-1-2.Excel(エクセル)
表計算アプリのExcelはCopilotを使ってエクセルの機能の使い方を聞き出すことができます。
現段階ではかなり不安定ですが、例えば「日本の人口を5年分調べて表を作成して」という指示を出して表を作らせることはできます。(図5)

1-1-3.PowerPoint(パワーポイント)
プレゼンテーションアプリのPowerPointでは、プレゼン内容の要約を説明させたり(図6)、新規のプレゼンを作成させることができます(図7、図8)。



1-2.Gemini(ジェミニ)
URL:https://gemini.google.com/
モバイルアプリ:あり
開発:Google(グーグル)
Googleが開発した、ChatGPTに対抗する多機能な生成AIです。検索やコーディング、画像処理などに対応し、Bardの後継として登場。GoogleのAPI連携に強みがあり、Googleマップ(図9)やYouTube(図10)、Googleドライブ・Gmailなどとの連動(図11)で様々な効果的を引き出せます。Google Workspace(グーグルワークスペース)を利用し、すでにGeminiの恩恵を受けている方も多いと思います。



1-3.Perplexity(パープレキシティ)
URL:https://www.perplexity.ai/
モバイルアプリ:あり
開発:Perplexity AI(パープレキシティ・エーアイ)
質問に対してウェブ検索とAIを組み合わせて回答する。出典付きで信頼性が高く、調べものに強いことでライター関連のユーザー達から支持を集めています。(図12)

1-4.Claude(クロード)
URL:https://claude.ai/
モバイルアプリ:あり
開発:Anthropic(アンソロピック)
安全性と倫理性を重視したAI。文章のクオリティに定評があり、企業向けにも利用されています。ChatGPTとは違う角度からの切り口や説明を調べるときに役立ちます。(図13)

1-5.Grok(グロック)
URL:https://grok.com/
モバイルアプリ:あり
開発:xAI(エックスエーアイ)
X(旧Twitter)に統合されたAIチャットボット(図14)。時事性に強く、冗談や皮肉も理解するユニークな性格と評されています。

1-6.生成AIサービスのまとめ
生成AIにも多様性があり、各社の色が違っていて用途に合わせて使いこなすことが重要だということが、お分かりいただけると思います。
各サービスの特徴を一覧表にまとめました。(図15)
生成AIサービス一覧表
サービス名 | チャット機能・特色 | 文書生成能力 | 検索連携 | 使いやすさ・統合性 |
---|---|---|---|---|
Microsoft 365 Copilot | Officeアプリ内で使える業務特化チャット | Word/Excel/PowerPointの下書き作成 | Bing検索+社内データ参照 | Officeユーザーならシームレスだが非利用者にはやや複雑 |
Google Gemini | 自然で流暢な対話が得意 | Gmail/Docsなどと組み込み中 | Google検索(リアルタイム) | Googleアカウントで即利用可 Workspace連携は一部ベータ版 |
Perplexity | 質問時に自動検索&出典付き回答 | 要約・記事下書き等の生成 | 常時ウェブ検索連携 | 検索エンジン感覚で使いやすい 関連質問提案機能もあり |
Claude(v3以降) | 安全性重視の「憲法AI」アプローチで高度な推論と最大200,000トークン(特定用途で1,000,000トークン)処理 | 長文の要約・分析に強い(100K~200Kトークン超の文書処理) | Web検索機能なし(入力資料を解析) | シンプルなWeb UI ファイル対応で大量対応もSlack統合など |
Grok(xAI/X) | X(Twitter)でカジュアルに対話 | テキスト&画像生成可能 | X上の投稿+DeepSearchモード | Xユーザーなら即利用可モード切替で応答スタイル調整 |
図15:サービス特徴一覧
それぞれのサービスは無料で利用を始めることができます。
自分の使い方に合っているか、使う頻度はどの程度かということを吟味して、それぞれの有料版にアップグレードするかを検討されると良いでしょう。画像生成や動画生成のオプションを重視する使い方もありますので、各サービスのクオリティを確認してみましょう。
2.生成AI 比較サービス
各種生成AIを横断的にまとめて利用できるサービスも登場しました。これで一つ一つのウィンドウやアプリを起動しなくても一覧で生成結果が見られるので、作業効率がさらにアップします。
2-1.天秤AI byGMO
URL:https://tenbin.ai/
開発:GMO天秤AI株式会社
天秤AIは、ChatGPTやGeminiなどの言語モデルを1度に最高6モデル選んで回答させることができるサービスです。DeepSeekも選べます。
キャッチコピーや文章の言い回し、アイディア、料理レシピ等のバリエーションをより多く得たい場合に有効ですね。
「ビルメンテナンスで水回りの応急工事がスピーディーな業務をPRするためのキャッチコピーを10個作って」と指示した画面を参考にしてみてください(図16)

2-2.Felo AI Chat
URL:https://chat.felo.ai/
開発:Felo株式会社
Felo AIは、2024年に設立された日本のスタートアップ企業であるFelo株式会社によって開発されました。まだ動作が不安定なところもありますが、気になる2つの言語モデルで回答を比較することができます。(図17)

最後までお読みいただきありがとうございました。
生成AIの多様性が広がっていることを実感されましたでしょうか。
次回からは応用編として、実践的な活用法を深堀りした内容をお届けいたします。
※この記事にはChatGPTで生成された内容が含まれます
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【本記事は連載の第6回です。これまでの回もあわせてご覧ください】
■第5回:「ブルーオーシャンも見つかる”攻め”の使い方」
■第4回:「経費節約」につながる使い方
■第3回:「ChatGPTに質問する」、「ChatGPTの各種機能・画面解説」
■第2回:「ビジュアル機能」と「ビジネス活用での注意点」
■第1回:生成AIのChatGPTって何?
杉山 貴思(すぎやま たかし)

【現職】G-word(グッドワード)代表
【肩書】次世代人工知能学会副会長/ソブリンAIプロデューサー/ビジネスコンサルタント
ChatGPT 等の生成AIを中心にテーマとして全国で登壇活動をこなす。衆議院会館や国連大学、早稲田大学、学習院大学、山形大学等で登壇し、生成AIのデモンストレーションが参加者から好評。国内初の(一社)日本情報技術協会認定AIプロデューサーで企業・組織のイノベーションを指導する実力者。複数の大学教授らとのAI研究に参加。ECコンサルタントとしても多数の実績がある。小冊子やハンドブック、雑誌コラムなど執筆もこなす。YouTubeに最新のビジネス情報を公開し、大学関係者や企業家等から好評を得ている。
【Webサイト】
https://www.g-word.jp/
https://ameblo.jp/g-word