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無人環境での火災トラブル延焼防止-頻発するモバイルバッテリー出火等に備える-

2026/03/17 15:30

無人環境での火災トラブル延焼防止
頻発するモバイルバッテリー出火等に備える

■変化・増大する建物火災リスク

消防庁が公表しているデータによると、2023年に起こった建物火災は20,974件で、前年より増加しています。主な出火原因にはこんろやたばこ、電気機器、配線器具などがあり、特に老朽化した施設の配電盤や制御盤が原因となるケースもあり、あらゆる場所に火種が潜んでいることがわかります。一度発生すれば人命や資産に甚大な被害をもたらす建物火災。多様な出火原因が潜む中で迅速に火災の芽を摘むことは、建物利用者からビルメンテナンスに対して非常に高い期待が持たれています。

建物火災の主な出火原因(令和5年中)

※総務省消防庁「令和6年版 消防白書 資料編」をもとに作成

さらに近年では、モバイルバッテリーなどに利用されている「リチウムイオン電池」からの出火が激増しており、特に電車内や飛行機内での発火・発煙が報道を騒がせています。建物内にはコードレスの清掃用機器など業務用の機械はもちろん、私物の携帯電話やモバイルバッテリー、加熱式たばこなどまで含めると、あらゆる場所にリチウムイオン電池を内蔵した製品が溢れています。これらは高容量・高出力な仕様になるほど発火時の燃焼が激しくなり、周囲への類焼・延焼を招くリスクが高いといわれています。

2026年4月から「資源有効利用促進法」の改正により、モバイルバッテリー等の回収・再資源化が義務付けられるため、建物内で保管しなければならないケースの増加が想定されており、出火防止対策はビルメンテナンス事業者にとっても喫緊の課題といえます。

しかし現在、深刻な人手不足に直面しているビルメンテナンス事業者は、いつ、どこで発生するかわからない火災の芽を、24時間365日、それこそ配電盤内部や保管庫の中など物理的に目が届かない場所でまで含めると、限られた人員で対応することは困難です。死角への対策として大掛かりな消火設備を増設するとしても、ビルオーナーには多大な導入コストが障壁となるうえ、狭い配電盤内や個別の保管スペースに設置しなければならず、現実的ではないのが現状です。

■無人環境での火災トラブル延焼防止

こうした火災の「死角」に対し、一つの解決策となるのが「フィルム状の消火資材」です。火災発生時の熱に反応して消火機能を発現する特殊フィルムで、火災の熱を感知すると、燃焼連鎖反応を停止させる成分を含んだ消火剤が放出され、人手を介さない迅速な初期消火が可能になります。

その一つ、TOPPANが開発した消火フィルム「FSfilm®」は、ビルメンテナンスの現場に活用しやすい下記の特長を持っています。

○超薄型・軽量:フィルム状のため、配電盤の裏側や電池ケース内など、場所を選ばず設置可能
○メンテナンスフリー:電気も動力も不要。一度貼れば3年間の長期設置が推奨されており、管理コストを最小限に抑えられる
○環境・人体への配慮:有害ガスが発生せず、精密機器へのダメージも抑制できるため、ビルメンテナンスの現場に最適

例えば古いリチウムイオン電池の保管ケースや、老朽化が心配される配電盤や制御盤の内部、そのほか火災の芽となる可能性が懸念される場所に設置するだけで、人の手を介さずに熱を感知して自動で消火剤を放出するため、目の届かない場所や深夜・早朝などでも、火災リスクを軽減することができます。

■科学が証明する「類焼防止」の力

消火フィルムの有効性は、厳格な検証実験によって裏付けられています。リチウムイオン電池の釘刺し試験では、消火フィルムを設置していない未対策の保管ケースでは燃焼が継続したのに対し、消火フィルムを設置した保管ケースでは速やかに鎮火し、再引火も防いだことが確認されています。

「FSfilm®」は、国際的な第三者認証機関「UL社」により隣接電池への類焼を0%に抑制する効果が客観的に認められ、世界初となる「UL検証マーク」を取得しています。現在、航空機内での採用をはじめ、公共施設のゴミ箱、分電盤内など、建物内においても具体的な導入が進んでいます。

慢性的な人手不足や人件費の高騰により、限られた人員での品質維持が現場の大きな課題になっています。テクノロジーによる「安全の自動化」は、事故防止だけでなく、現場の負担軽減とビルオーナー、ビル利用者からの信頼性の向上を両立させる鍵となります。

「消火フィルム」の導入は、人手に頼らず24時間体制でリスクを管理する仕組みを構築することと同義といえます。サステナブルな建物管理を実現し、企業の競争優位性を高めるための投資になると思われます。

■情報提供
TOPPAN株式会社 生活・産業事業本部 パッケージソリューション事業部
https://www.toppan.com/ja/living-industry/packaging/topics/column/002/