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CASE91 住民の通報で救急車を手配、大事に至らなかった!―熱中症対策、難しい一人現場の対応―

2025/06/25 10:00

【事故エピソード】

戸数40戸のマンション清掃を担当するA子さん(67歳、勤務歴7年)。もう一人のスタッフと隔日で交代、朝7時半から11時半までの4時間勤務だった。この日は朝から蒸し暑く、自宅から仕事場までの徒歩通勤20分でひと汗かいてしまった。
いつもは午前中に7階から順に、廊下、通路の掃き掃除を行っていたが、この日は「にわか雨」の予報だったので、マンション外周の清掃から始めた。1時間ほどで外周清掃を終え、駐車場、駐輪場など施設内の掃き掃除をしていたところ、少しめまいを感じたので、日陰で休んでいた。気温はすでに30度を超えていた。
たまたま通りがかったマンション住民の方がA子さんの異変に気付き、救急車を手配してくれた。病院でA子さんは熱中症の診断を受けたが、幸い中程度の症状で済み、ほどなく帰宅することができた。もう少し通報が遅れていたら、非常に危険な状態だった。

[1]熱中症対策、6月から義務化に!

この6月から熱中症対策が法に基づく義務化になりました。
ここ数年、熱中症による死亡者が約30人に上り、職場での休業4日以上の被災者も1,257人(令和6年)と過去最高を記録しています。
そこで厚生労働省では法による規制に踏み切りました。規制の対象となる職場(作業)は、WBGT値で28度、気温31度以上の環境下で、連続1時間以上あるいは1日4時間以上の作業を行う現場となっています。

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