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価値のある夢をカタチに ~当たり前に感謝~

2025/12/16 10:00

―――どのようなお子さんでしたか?

 子どものころからわんぱくのスポーツマンでした。小学生のころに体育の授業でハンドボールに出会い、その楽しさに魅了され、上手くなるために毎日練習を重ねました。中学生では1年生からレギュラー、3年生ではキャプテンを務めました。
その結果、富山県でトップの高校から特待生としてお声掛けいただき、親元を離れて寮生活、キャプテンとしてハンドボール漬けの日々を送りました。高校ではインターハイや国体、大学ではインカレ(インターカレッジ)に出場し、全国準優勝も経験し、優秀選手にも選ばれました。
こうしたスポーツで培った経験は、現在の会社経営にも大いに役立っています。目標を高く設定して挑戦を楽しみ、チームで成果を創り出す姿勢を、今も大切にしています。

―――会社に入社された「きっかけ」は何ですか?

 私は小学校3年生のころから朝3時に両親に起こされ、兄とともにパチンコ店の定期清掃に入っていました。何百個という椅子の脚を、膝をついて拭くことがとても苦痛であったことを今でも覚えています。また、友人からも親が清掃の仕事をしていることを聞かれることが嫌で、大人になったら絶対に清掃の仕事には就きたくないと思っていたので、現在このような仕事をしていることが不思議でしかたがありません。
ですので、唯一入社した「きっかけ」を挙げるとするならば、朝早く夜遅く、暑い日も寒い日も、一生懸命に現場で働いている両親の姿が少しだけ輝いて見えていたのかもしれませんね。

―――今に至る経緯について教えてください。

 弊社は、昭和59年創業の41年目になります。祖父から、父へ、そして、私で3代目です。現在も「おや・こ・まご」とお世話になっているお客さまもおられ、大変ありがたく感謝の気持ちで一杯です。
私が入社した際は、従業員3名・アルバイト3名程度、休みは毎月1 ~2回、12月31日の22時まで現場で働いていました。給料も少なく、休みもなく、毎日ロボットのように仕事をこなしていました。
そんなある日、私の長女が悪性リンパ腫という血液の癌になり、クリーンルームで妻と2年間の闘病生活に入りました。今となれば、この2年間を笑い話に変えることもできますが、当たり前にある毎日の景色がどれだけ幸せなものなのか、「当たり前に感謝」する気持ちを長女から教わりました。
この時から、私の中で心から叶えたいと思う「お客さまと従業員から愛される会社づくりを追求するとともに、清掃を通して持続可能な美しい地域社会の発展に貢献する」という、「価値のある夢」が見つかったのです。
この「価値のある夢」が見つかってからは、私自身も会社も急激に変化していきました。私に色々な挑戦をさせ続けてくれた両親、高校3年生の頃から会社でも、家庭でも、いつも私を支えてくれている妻、私の良き相談相手である兄と妹、そして、何よりもいつも私の向かう先に共に進んでくれる大切な仕事仲間のためにも、常に先頭に立ち、最後まで挑戦します。
このように様々な方が、私をサポートしてくれるお陰様で、今に至っております。

―――これまでで一番苦労されたことは何ですか?

 喜びも、苦労も「人」になります。入社してから、私は数多くの仲間が去っていくのを見てきました。それも、前向きな退職は数少なく、後ろ向きの退職が圧倒的に多くありました。その際、とても辛く感じることは一生懸命に働いてくれているスタッフが 仲間の退職をどのように感じているかです。これが、私にとって最大の辛さであり、苦労になります。

―――これまでで一番成果を挙げられた、うれしかった事などありましたらお伺いします。

 振り返ってみましたが自分自身で大きな成果を挙げておりません。嬉しかったことは弊社スタッフが清掃サービスさせていただいたお客様に評価していただき、スタッフのことで感謝を伝えていただいたときが私にとって一番嬉しいです。

―――会社を成長させる、会社が進化していく中で、取り組んでみたい、挑戦してみたいことはありますか?   

 会社を成長させるために最も重要なことは「人づくり」だと考えます。そのために も、他社に負けない圧倒的な「共育」に力を入れて現在挑戦中です。安全・安心・仕事プライドについては富山県・北日本ビルサービス株式会社の太郎田社長、床清掃知識については宮崎県・株式会社グローバル・クリーンの税田社長、ガラス清掃については、日本ガラスクリーニング選手権で優勝された千葉県双葉美装 横山社長をお招きし、日本一の各講師から年に1~2回ご指導いただいております。

―――ホームページを拝見すると御社は若いスタッフが多いですね?

 私は44歳ですが、スタッフの9割は私より若い世代です。

―――若い方をどのように採用しているのですか?

 スポーツを通して若い人材を確保しています。弊社には、スポーツ指導しているスタッフがいますが、働き方も特別です。指導している生徒が夏休みや冬休みに入れば、午前勤務で午後からは部活動指導になります。このように、スタッフが一生懸命に取り組んでいる夢を全面的にバックアップすることが、結果として若い方の採用に繋がっているのだと思います。

―――どういう方を採用しているのですか?

 笑顔が素敵で明るく元気に、人に優しい方が一番です。基本的な挨拶など、当たり前のことをしっかりできる方を重視しています。技術や知識は後からいくらでも身につきます。しかし、清掃の仕事に必要な「心」や「姿勢」は、その人の日常の在り方に深く関わっていて、仕事に大きな影響を与えると考えています。だからこそ、私はその部分をとても大切に見ています。

―――スタッフの目標が掲示されてましたね?

 目標はスタッフと私と話し合いながら設定しています。決めたからには必ず達成できるよう、私も伴走して取り組みます。

―――スタッフへはどのように接していますか?

 スタッフ一人ひとりの楽しいことをいかに創り出せるか、常にこのことを意識して接しています。
「正しいことは続かない・楽しいことは継続できる」これは、誰もが同じです。大切なことは、価値のある楽しさを見つけ出すことです。
私が清掃講師やスポーツ指導をしているのも、その一環です。人に伝えること自体が楽しいですし、そこに価値を感じています。「正しいことをやりましょう」と伝えても、人の心までは動かすことはできません。だからこそ、その人に適した役割を見つけ出し、その中で価値のある楽しみを発見することです。
生意気を申していますが、価値のある楽しさを創り出すことは簡単ではありません。それでも、それを追求することが私の使命だと考えています。

―――御社にはアビリンピックに挑戦している方もいますね?

 今年の4月から新入社員として迎えることになった米島航希君は、第23回とやまアビリンピック2025に出場しました。結果は「努力賞」でしたが、練習に一生懸命取り組む姿は、スタッフ全員に勇気を与えてくれました。
航希君は本当に努力家で、ご両親のために頑張っています。ご両親も「頑張っている姿を見て、喜びと感動をもらった」と話してくださいました。そして今日も、来年のアビリンピックに向けて、業務の隙間時間を使って練習を続けています。

―――これからのビルメンテナンスの仕事にどんな可能性があると感じていますか?

 サービス提供するターゲットを絞り込み、人にしかできないサービスとロボットにしかできないサービスの融合、すなわち「ハイブリッド型サービスモデル」を先駆けることこそが、ビルメンテナンス業界に新たな可能性を生み出すと考えます。

―――これからどんな会社を目指していきたいと考えていますか?

 昨年から富山県内において「働きづらさを抱える」方々の工賃向上と就労拡大を目的に清掃指導を実施する、”とやまクリーン部会” を立ち上げました。現在まで、富山県内の就労継続支援事業所から、支援員さんが100名以上受講していただいております。私たちは、お客さま・地域から愛される会社を目指して、これからも挑戦していきます。

 はい、来年は「つなぐ」というスローガンの下、第29回ビルメンテナンス青年部全国大会㏌富山が開催されます。こちらのスローガンには、先人たちに育てていただいたこの業界に対し、今後は私たちが育てていく立場になる。すなわち、“渡されたバトンをしっかり受け取り、そして次世代へとつなぐ”という、強い決意を込めさせていただきました。
ぜひとも富山の地へ足を運んでいただき、富山の魅力を思う存分楽しんで行ってください。皆さまのご参加、心よりお待ちしております。

富山県ビルメンテナンス協会青年部会の皆さま