CASE75 大型ごみのかご台車積み込み中に転倒! ―テールゲートリフター作業 2月1日から特別教育義務化へ―
【事故エピソード】
複合ビルの管理を担当するAさん(67歳、経験2年)は、月1回の大型ごみの搬出作業に立ち会っていた。大型ごみはかご台車(ロールボックスパレット)に積み込まれ、今月はいつもより重量もあり、4台だった。いつもの回収業者だったが今回来たB君は初めて見る顔で、しかも一人だった。B君は空の台車を下ろし、それからゴミの入った台車を積み込む手順で作業を進めた。2台目までは順調に積み込めたが、3台目はこれまでより重く、見兼ねたAさんが横から手助けをして何とかストッパーの位置まで押し上げることができた。そこを確認したB君はリフトのリモコンスイッチをすぐに押した。しかし、その時Aさんの足はまだ昇降板に乗っていた。昇降板が動きだした時、あわてて下りようとして、Aさんはバランスを崩して転落、頭を強く地面に打ちつけてしまった。
[1]テールゲートリフター作業の事故が多く、特別教育義務化へ
トラックの荷台の後部に設置された動力により駆動するリフトを「テールゲートリフター」と呼びます。重量物の積み込み作業に多くの車両に取り付けられるようになり、作業者にとって重作業の改善となり、さらに多くの作業が一人で可能になるなど多くのメリットをもたらしました。介護用車両などでは車いすごと乗り入れることができるようになり、利便性も高まっています。
しかし一方で、荷と作業者が一緒に昇降する際に荷が傾き、もろともに地面に転落するなどの重大事故も多く発生しています。令和2年には330件にも及び、休業60日以上の重傷災害が4割以上となっています。
そこで国では、このテールゲートリフター作業の安全を確保するため、操作者への特別教育を令和6年2月1日より義務づけることとしました。
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