事例に学ぶ健康安全クリニック CASE47 健康診断では見つからない脳血管疾患 -予兆、異変に気づいたら精密検査を受けよう-

2021/10/08 15:00 更新

  1. Aさん(66歳)は朝の清掃作業の合間に同僚と二人で休憩していた。しばらくして頭に激痛が走り、我慢できずにその場にうずくまってしまった。異変に気づいた同僚がすぐに救急車を手配して、病院に搬送された。何とか命は取り留めたが、身体に麻痺が残ったため、リハビリが必要となり、しばらく休職することとなった。

休憩中に激しい頭痛を感じてうずくまったAさん。すぐに救急搬送されたため、一命は取り留めた。

くも膜下出血等による重大事故が頻発

この事例では、Aさんの病変が休憩中だったことが幸いした。もしも、階段や脚立での作業中に発症していればおそらく転落災害となり、重篤な災害となった可能性がある。事故の誘因に体調不良が関連していることも珍しくない。転倒災害の主な原因として「ふらついて」「よろけて」が挙げられるが、単なる体力の低下ではなく、高血圧症や糖尿病などの疾病が背景に潜んでいる場合もある。
慢性的な疾患に起因する重大事故というと、近年相次ぐ自動車の暴走事故が思い浮かぶ。2021年9月11日、東京都千代田区・九段でタクシーが暴走し、自転車やタクシー待ちの人など6人をはね、そのうち73歳の女性が死亡するという重大事故が起きた。青信号になってもタクシーが動き出さないため、後続車がクラクションを鳴らすと、急発進したという。翌日、タクシー運転手自身も死亡し、死因は「くも膜下出血」と判明した。目撃者によると、「信号待ちの際、タクシー運転手が下を向いたままだった」などの異変を感じたという。

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