愛される動物園は、清掃が光る。

清掃人。 第二十六回

鈴木美果(46歳) ジャパントータルサービス株式会社 よこはま動物園ズーラシア事業部 副所長

2022.5.10 20:00 更新

撮影=立木義浩 文=内野一郎
撮影場所=よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)

新型コロナウイルス感染症によって、
数多くの施設の門が閉ざされてきた。
多くの者が愛する、動物園もその一つ。
人は動物の姿を眺めながら
おそらくは自分の姿を重ねている。
大きな体躯、のびやかな肢体、
色とりどりの柄や、鋭い眼光。
吠え、疾走し、跳びあがり、
あるいは日なたに手足を広げて
だらしなく寝そべっている、
その姿がたまらなく大好きなのだ。
“生命の共生・自然との調和”がメインテーマの
横浜市が誇る人気の動物園、
「よこはま動物園ズーラシア」にも
日本中にファンがいる。
動物たちは
世界の気候帯と地域別に8つのゾーンに分けられ、
実際に暮らす地域の環境を再現している。
アフリカのサバンナを模したエリアには
キリンやライオン、シマウマやチータが
自由に動き回り、
来園者の目を楽しませている。
現在、ズーラシアの門は開かれ、
多くの来園者が訪れて
ようやく以前のような活気を取り戻した。
園の清掃を受け持っている鈴木美果さんも
それが嬉しくてならないようだ。
動物園清掃は
開園までの午前7時から9時半までの
2時間半の朝清掃が勝負。
約53.3ヘクタールもの
広大な園内各所に設置されたベンチの拭き掃除、
トイレの掃除、園路の枯れ葉掃除、
とにかく動き回らなければならない。
これらの業務を30人ほどのスタッフでこなしていく。
鈴木さんがズーラシアの清掃を始めて、
かれこれ20年。最初はパートで始めたが、
年々業務内容が増えていったため、
それを助けてあげようと思い、正社員になった。
そして昨年は遂に、
清掃業務のまとめ役である副所長に昇進した。
笑顔の素敵な人だ。
ご主人も同園の警備を担っている。

立木義浩(たつき・よしひろ)/1937年、徳島県・徳島市の写真館に生まれる。1965年『カメラ毎日』で掲載された『舌出し天使』が話題となり、一躍世間の注目を集める。女性写真の分野を中心に、多く著名人を撮影。 同時に世界中でスナップ写真を日常的に撮り続け、多くの作品を世に送り出す。主な受賞歴に、日本写真批評家協会新人賞(1965年)、日本写真協会賞年度賞(1997年)、 日本写真協会賞作家賞(2010年)、文化庁長官表彰(2014年)など。