越冬交代に向けて、1年でもっとも忙しい季節が始まる

2022.3.23 12:00 更新

<本記事の掲載にあたって>

新型コロナウイルスが世界を覆う厳しい状況下、気候変動を始めとする
地球の観測を続けるために、日本を出発した第62次南極地域観測隊。
脱炭素という二酸化炭素排出削減の加速を求められる現在、
南極で得られる環境データはとても重要です。
そして、都市社会の脱炭素化を推進するビルメンテナンス事業者にとっても
この情報は今後の方向性と知識を向上させるために欠かせないと考えられます。
そんな最前線からのリポート「南極からの手紙」をお届けします。


第63次南極地域観測隊が昭和基地へ

2月1日、昭和基地では越冬交代が行われ、私たち第62次南極地域観測隊は昭和基地の観測と管理を第63次南極地域観測隊に引き継ぎました。
63次隊が到着した12月からは物資搬入や各部門の引継業務が行われ、昭和基地は一年の中でも最も忙しい季節となりました。
これまでの様子を少し振り返ってみたいと思います。

63次隊を乗せた南極観測船「しらせ」は昨年11月10日に横須賀港を出港しました。世界的に新型コロナウィルスが蔓延し、観測隊は南極にコロナウィルスを持ち込まないようにワクチンの接種や出発前の2週間の隔離など、とても厳しいプロセスで日本を出発しました。
ただし、62次隊では大幅に削減されてしまった夏期期間の観測に参加する隊員が今回は乗り込んでいます。本来であれば、私たちと一緒に南極に向かう予定だったのですが、感染防止策により隊員が削減されてしまい、南極へ行くのを一年待つことになってしまったのです。また、私たちは日本から南極まで無補給で直行しましたが、63次隊は例年通りオーストラリアで補給を受けることができました。徐々にですが世界がコロナウィルスと折り合いをつける方法を見いだしつつあるのかなと感じていました。
「しらせ」の昭和基地への接近は、63次隊からのメールや定時交信で知ることができます。そしていよいよ基地へ60kmを切ったあたりで「しらせ」が見えるようになってきました。
まだまだ望遠鏡でしかわからない距離ですが、少しずつ氷を割りながら進んでいる姿はとても力強く、コロナ渦を乗り越えてきた頼もしさと南極観測にかける情熱を感じました。

南極観測船しらせ接近中。(国立極地研究所提供)

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