現場リーダーを任されて5年目のA子さん(58歳)。コロナ禍において、感染症対策として詰所の人数を減らし、業務連絡をオンライン方式に変更するなどしたことから、徐々に仲間たちとの会話も少なくなった。
数年前に夫を亡くしたA子さんは、現在は一人住まいで、身近に相談相手もいない。仕事への意欲がわかず、情緒が不安定になり、不眠や気分が落ち込むことも増えた。更年期障害を疑って、婦人科を受診したところ、医師からは心療内科と精神科の受診を勧められて戸惑ってしまった。
コロナの影響で
メンタルヘルスに不調をきたす人が増加中
A子さんのように女性は閉経期を前後して女性ホルモンの減少を主な原因とする、ほてり、のぼせ、発汗、めまい、さらに気分の落ち込みなどの更年期症状がみられます。この症状が恒常的に続き日常生活に支障をきたすような状態が「更年期障害」であり、適切な治療が必要とされます。
紹介した事例はさらに深刻で、仕事、私生活などから生じる様々なストレスを原因とする「抑うつ状態」である可能性があります。
例年3月に自殺者数が最も増えることから、厚生労働省は3月を「自殺対策強化月間」と定め、予防対策の推進を関係機関に呼びかけています。
3月に自殺が多くなる理由として、仕事に関係する事項としては、年度の仕事の締めの時期、経費、借金等の支払い(決算)時期などで、肉体的には睡眠不足、精神的にも追い込まれるといった苦しさを強く感じてしまい、こうした現実から逃避しようとする行動が自殺につながると言われています。
また、卒業や入学、就職、昇進など華やいだ気分になる人が多くなる反面、人によっては“疎外感”や“孤独感”を強く感じる機会が増えることも一因といえるかもしれません。
厚生労働省・警察庁より発表された「令和3年中における自殺の状況」によると、令和3年の自殺者数は21,007人で、対前年比74人(約0.4%)の減少でした。男女別にみると、男性は12年連続して減少している一方で、女性は2年連続の増加(総数7,068人、42人増)となっています。
年代別に見ると、20代、50代、80歳以上の女性に自殺者が増えており、特に50歳代の女性では、昨年比で130人も増加しています。さらに、自殺の動機を見ると、勤務問題の増加が19人(昨年比140%)と高くなっています。コロナ感染拡大による雇用への影響が女性にも強く及んでいることが予想されます。


