mv mv-sp

CASE99 ゴミ圧縮装置に手を挟まれ、切創!―機械設備の異常時の操作マニュアルを整備しよう―

2026/02/25 09:00

【事故エピソード】

ビル清掃員のA子さん(56歳 女性、勤務歴1年)、各フロアからダストカートで可燃ごみを回収してきて、ダストドラム(ゴミ圧縮装置)に投入しようとカートをセット、起動ボタンを押した。ところがダストドラムが上手く動かない。確認したところ下方のキャスター部にビニル紐のようなものが絡まりうまくセットされていなかったようだった。A子さん、急いで紐を取り除こうと力を入れて引っ張った。すると装置が急に動き出し、手を装置との隙間にはさまれそうになり、慌てて手を引き抜こうとしたため、手の甲を数センチ切ってしまった。A子さんはこの作業時、手袋をしておらず、骨折は免れたものの、全治2週間と診断された。

[1]多様化する機械設備、取り扱いマニュアルを整備しよう

[2]異常発生時の基本 「止める、呼ぶ、待つ」

機械設備には故障や異常な事態発生はつきものです。毎朝の始業点検、毎月の定期点検はしっかりと行いましょう。日常点検では、装置にガタツキや異常な音が発生していないか、何もないのに急に機械が停止することがあるか、特に、非常停止ボタンがしっかりと機能するかなどをポイントに確認しましょう。こうした手順もマニュアルにしておくと良いでしょう。
そして、異常が発生した際の作業者の基本行動は「機械の主電源を止める、装置に詳しい人を呼ぶ、担当者が来るまで待つ」です。特に外国人の方や就業間もない人についてはこれを徹底しましょう。あれこれ触ってしまってより大きなトラブルに発展することがよくあります。

[3] 作業者ができることは“してほしい”ならば・・・

事例のように、作業者が原因と思われるものを発見し、それを取り除こうとすることは悪いことではありません。その際の最低限守ってほしいことを明示しておきましょう。

今回の事例をもとに考えると、原因と思われるキャスターに絡んだ紐を取り除く場合

❶ 主電源を切る(OFFにする)
❷ カートを一度装置から出す。
❸ 作業しやすい場所に移動させ、紐を取り除く(作業姿勢が悪いと腰痛などの原因に)。
❹ もう一度装置にセットする。
❺ 装置の電源を入れ(オンにする)、起動させる。
❻ 通常通り起動するか確認する、起動しない場合は担当者を呼ぶ。
となります。このような取り扱い方法を装置に掲示しておくと良いでしょう。

[4]設備の労災防止(リスクアセスメント)のポイント

以下に類似する設備の労災防止、リスクアセスメントのポイントまとめました。

❶ 手指がすき間から入らないように、安全ガードを設けること。
❷ カートなど装置に入れる場合、内部の危険部分に手指が届かない構造になっていること。
❸ 非常停止スイッチ(赤色)が付いていること。
❹ フタが付いている場合、フタを開けると装置が停止する構造になっていること。
❺ 安全装置、設備のボルト、ネジなどにゆるみが無いか定期的に点検すること。
❻ 必要に応じて、手袋を着用させること。
❼ 装置の操作手順、異常時の措置、再起動時の安全確認方法などマニュアルを作成し、作業者全員に周知すること。

今回、皆さまの職場でご活用いただくため、「健康+安全クリニック」で人気の記事をまとめた冊子を作成いたしました。冊子データは無料でダウンロードいただけます。詳細は以下のページからご確認ください


コーナー担当者からのお願い
このコーナーで取り上げてほしいテーマや事故事例があれば、どしどしお寄せください。お待ちしております。
リクエストはこちらから