BMウーマンの休憩室 選手村でのハウスキーピング。スタッフリーダーの「チーム作り」とは?

12:00 更新

2021年夏、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に際し、選手村ハウスキーピング業務のスタッフリーダーを務めた、東京美装興業株式会社の鈴木希実子さん。普段は社内の営業サポートや、ビルクリーニング技能検定受検者への指導を担当している鈴木さんに、選手村で実践して成功を収めた「チームビルディング」の秘訣についてお話を伺いました。


5年間取り組んだ清掃業務の経験がチーム作りのヒントに

「チームは私ともうひとりの女性がリーダーで入らせてもらって、その他6名、計8名でした。同業他社の方もいっしょにチームを組んでの仕事だったので、はじめはどうなるんだろうと不安もありました」

本社でもなく、ふだん担当している現場でもなく、選手村という特殊な環境でのハウスキーピング。しかもほぼ初対面の他社のメンバーをまとめなくてはならない。どう乗り越えたのだろうか?

今回のチーム作りは、鈴木さんが東京美装興業で5年経験した清掃業務からヒントを得たのだという。

「入社してから5年間、ホテルでの清掃業務を担当していたのですが、そのときもチームで動いていました。初めのうちは、新人だったので仕事が遅く、聞こえるところで『遅いな』と言われたりして、悔しい思いをすることもありました。でも、汗を流しながら必死にやっていたらいつの間にか仕事を覚えて、他の人のフォローにもまわれるようになって。あるとき、自分の担当部分が終わらなかったときに『また怒られるな』と思っていたら、『いつも手伝ってもらっているから』とチームの人が助けてくれて号泣してしまったことがあります。このとき、自分のノルマをとにかく頑張って、あとは助け合う。そんなチームっていいなって思ったんです」


メンバー同士の「ほどよい距離感」を作ることに注力

このときのことを頭に入れて、取り組んだチーム作りでは、メンバー同士の“距離感“を大事にしたのだという。

「心がけたのは、入り込み過ぎず、放っておくこともしない“ほどよい距離感”です。限られた時間内でチームで協力してハウスキーピングを終わらせなければならないので、メンバーがある程度打ち解けていないと協力し合うことがむずかしい。だから、お互いに気を使いすぎないコミュニケーションをとれる雰囲気を作りました。その結果、わからないことがあっても他社の方でも近くのわかる人に聞くことができるチームになったと思います。間に合わない場所はお互いがフォローに入るなど助け合って作業ができ、とても効率的でした。ただ、仕事という緊張感も持ち続けなくてはならないので、仕事が終わったら一緒に帰るというよりはパッと解散することも多かったです。後日、感謝状を頂いたのですが、その授与式のときに私たちのチームはすごいファミリー感があったねと周りの方から言っていただきました。これは、皆さんの協力で連帯感と緊張感を併せ持つチームが作れたからだと思っています。本当にこの経験は財産になりましたね」

東京美装株興業式会社 鈴木希実子さん

入社当初の助けてもらう立場ではなく、選手村ではリーダーとしてひとつのチームを引っ張った鈴木さん。ひとつずつ経験を重ねながら、頼れるビルメンウーマンになっていくに違いない。

東京美装興業株式会社
業務管理部 品質管理課 主任 鈴木希実子さん

普段はビルクリーニング技能検定1級受検者の指導係の他に、清掃ロボットの社内窓口担当でもある鈴木さん。「ロボットも初めはまったく知識がなかったのですが、勉強していくうちに愛着がわいてきて、今では知らないことはないくらいです」