Q.育児・介護休業法が改正されたということですが、改正のポイントと留意点は?

A.改正法は令和4年4月1日から3段階で施行になりますので、その施行時期に留意して、就業規則等の見直しを図ってください。

2021/11/22 11:00 更新

改正法は3段階に分けて施行される

先ごろ、育児・介護休業法が改正されました。今回は改正のポイントについて解説します。令和4年4月1日から3段階で施行になりますので、その施行時期に留意して、就業規則等の見直しを図ってください。なお、以下に掲載した条文は、改正後のものです。

■令和4年4月1日施行

【ポイント1】 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び対象者に対する個別の周知・意向確認の措置
(1)育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置を講じる(22条)。

 ① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
 ② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
 ③ 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
 ④ 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
(2)本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければならない(21条)。
 ① 育児休業・産後パパ育休に関する制度
 ② 育児休業・産後パパ育休の申し出先
 ③ 育児休業給付に関すること
 ④ 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
 *個別周知・意向確認の方法は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかですが、面談はオンライン面談も可能で、FAXおよび電子メールは労働者が希望した場合のみ認められます。
なお、上記(1)(2)とも、産後パパ休暇については、令和4年10月1日から対象になります。

【ポイント2】 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(5条)
   有期雇用労働者の育児休業については、現在、以下の①と②が要件とされていますが、改正により①の要件が廃止され、②のみになります。
 ① 引き続き雇用された期間が1年以上
 ② 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでないこと
ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能としています。

■令和4年10月1日施行

【ポイント3】 男性の育児休業取得促進のための出生時育児休業【産後パパ育休】の創設(9条の2、9条の3)
子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる柔軟な以下の育児休業の枠組みが創設されました。
 ① 休業の申出期限は、原則休業の2週間前までとする。
 ② 分割取得できる回数は、2回とする(初めにまとめて申し出ることが必要)。
 ③ 労使協定を締結している場合に限り、事前調整のうえ、休業中の就業を可能とする。

【ポイント4】 育児休業の分割取得(5条)
育児休業について、分割して2回まで取得することが可能となります(取得の際にそれぞれ申出)。

■令和5年4月1日施行

【ポイント5】 育児休業取得状況の公表の義務(22条の2)
従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。

森井労働法務事務所
森井 博子さん

もりい・ひろこ 元労働基準監督官で、全国各地を歴任。
著書に『労基署がやってきた!』(宝島社・刊)。
http://www.morii.jimusho.jp/

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