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ビルクリーニング特定技能2号合格者インタビュー FILE 4

2024年12月27日に「第3回ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」の合格者が発表されました。
第3回は30名が受験。合格率6.7%という厳しい状況の中、2名が特定技能2号の切符を手に入れ、そのうち株式会社スーパーホテルクリーンに所属するお一人と企業様にインタビューを行うことができました。同社で初の合格者です。
現在合格を目指している方に向けて、合格者から熱いメッセージもいただきましたので、是非ご覧ください!

●合格者
株式会社スーパーホテルクリーン
XUE ZHENYI さん

●合格者プロフィール
お名前 XUE ZHENYIさん(以下、セツさん)
出身国 中国
趣味 生け花、旅行
経歴 2018年に来日し、日本語学校から専門学校に進学。株式会社スーパーホテルクリーンの清掃アルバイトを経て、2022年6月から同社の特定技能1号として採用される。2019年12月に日本語能力試験N2に合格、そして、2024年11月に行われた特定技能2号評価試験にはじめてチャレンジし、合格。2025年9月に特定技能2号に変更する予定。

―――日本でビルクリーニングの仕事をする事を選んだ理由を教えてください。

セツさん 中国では、ホテルに勤務しており、生け花などの装飾や客室清掃を行っていました。中国の職場の先生から、日本のサービスは世界一だと教えてもらい、日本で働きたいと思いました。
その後、日本の専門学校へ通っていたときに、ホテル関係の仕事を探していましたが、ちょうどコロナの影響で募集がなく、中国で客室清掃の経験があったことから、スーパーホテルクリーンに入社しました。きれいな環境をつくることにやりがいを感じています。汚れていたところがきれいになる瞬間は、とても楽しいです。


―――特定技能2号を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

セツさん 特定技能1号は、5年までしか働けません。学校の先生に相談したところ、特定技能2号を教えてもらい、会社のビンさんに相談しました。ビンさんは、快く応援してくれました。


―――特定技能2号を目指すため、現場でどのような経験を積みましたか?

セツさん 2022年10月頃から、シフト管理、資機材の管理、品質管理、スタッフの教育、お客様対応などをしてきました。ホテルの支配人にも積極的にコミュニケーションを取りました。


―――現場管理の実務で苦労したことはありますか?

セツさん 現場には20名ほどのスタッフがいて、日本の方だけでなく、ベトナムやネパールなど、いろいろな国の方が一緒に働いています。文化も違うし、日本語がわからないスタッフへの指示は、とても難しいです。
作業手順を教えるときは、言葉で伝えることが難しいので、私が実際に作業をして見せて、覚えてもらいました。困ったときは、小田嶋さんやビンさんに相談しました。


―――特定技能2号評価試験の勉強を始めたのはいつ頃ですか?どのような勉強をしていましたか?

セツさん 8月頃から勉強をはじめました。学科試験は、問題対策のプリントをもらい、実技試験は、ビンさんから、LINEグループに毎週、問題が送られて勉強していました。
会社のサポートや、直前に受講した講習会も勉強になりましたし、自分でも、重要だと思うポイントにマーカーをして、休みの日も頑張りました。


―――特定技能2号評価試験を受験した感想は?

セツさん 学科試験は、8割ぐらいできた手ごたえはありました。実技試験は、まず、全部の問題を読んで解いてみて、その後、自信のある問題から、じっくり取り組みました。
学科試験は時間が余りましたが、実技試験はこれまでにやったことがない問題も出て、とても難しく、1問は解答する時間がなかったと思います。


―――合格した時は、どのような気持ちでしたか?

セツさん 今回は、チャレンジしてみようという気持ちでした。合格は、会社の同僚に教えてもらいました。合格していないと思っていたので、びっくりしました!

―――今後の目標を教えてください。

セツさん スーパーホテルクリーンで正社員になり、日本で長く働きたいです。もっと高い技術を身につけ、未経験者に指導をしていきたいです。



●企業担当者インタビュー
株式会社スーパーホテルクリーン
代表取締役社長 今泉 千晴さん
ホスピタリティクリーン事業部 課長代理 小田嶋 宏美さん
キャリアサポートジャパン事業部 主任 NGUYEN THANH BINHさん(以下、ビンさん)

―――セツさんをリーダーとして抜擢した理由を教えてください。

小田嶋さん セツさんは、責任感と行動力、そして人を束ねる力がある人です。ホテルの支配人の要望を聞いて、すぐに実行に移し実現するので、とても信頼されています。当社では、社内独自の資格制度があり、指導力、技術力、スピード等の評価軸で、4段階の資格を設けています。
セツさんは、現場からの推薦もあって、一番上の資格にチャレンジしてみないかと声をかけたところ見事合格。ホテルのチームリーダーを任せることになりました。セツさんに任せたホテルは、クレームの数が少なく、そして、宿泊予約サイトの口コミ“清潔感”の評価を見ても、他の現場に比べて、ポイントが高いです。安心して現場を任せています。

セツさんの“強み”について語る小田嶋さん(写真右)

―――特定技能2号試験に向けて、セツさんにどのようなバックアップをされましたか?

ビンさん まず、特定技能2号試験対策のスケジュールを組み立てました。そして、実技試験がとても難しいですから、公開されている問題を少しアレンジして、セツさんを含む受験者のみなさんに解いてもらいました。学科の勉強は、ZOOMで1日2時間、週に3回行い、金曜日には本社に集まって実技の練習をしました。これを2~3か月間、みなさん本当によく頑張ってくれました。
難しい試験なので、練習問題を考える私も色々と勉強して大変でしたが、やっぱり、今回の合格は、セツさんの努力があったからこそだと思います。


―――セツさんが合格されたときの会社の様子を教えてください。

ビンさん 私は、ちょうどベトナムに帰国していたのですが、合格を知って本当にうれしかったです。すぐに全社に共有し、社長にもご報告しました。私もみんなと一緒になって受験したつもりだったので、私も合格したような気持ちです(笑)。
社内はもちろんのこと、現場のスタッフもとても喜んでいます。セツさんは、社内初の合格者なので、特定技能2号を目指す他のグローバル人材のスタッフも、セツさんと同じようにがんばれば合格できると、はげみになっています。


―――セツさんに何を期待していますか?

小田嶋さん 他にも色々な現場を経験していただき、ゆくゆくは複数の現場の管理も任せたいです。そして、社内の資格制度の試験官にも、ぜひチャレンジしてほしいと思っています。


―――今後の御社の事業展開を教えてください。

今泉さん 当社は、2016年に創業してからホテル客室清掃を中心として、民泊宿泊施設の運営や、建物管理業務や修理修繕にも力を入れたワンストップサービス事業を展開しています。創業者は、先々の見通しを立て、創業当時から積極的にグローバル人材を採用してきました。
スーパーホテルは、ビジネスマンをターゲットとして展開していましたが、ここ1~2年は、本当に外国からの宿泊客が増えたと実感しています。ホテルの支配人からは、当社のグローバル人材のスタッフは交流客の応対もしてくれ、大変助かっている等との高評価を得ており、外国人現場責任者が多数活躍しています。
また当社は、東京、大阪、京都にエリアを絞って事業展開していますが、今後もスーパーホテルだけに留まらず、事業を拡大していきたいと考えています。それには、若くて、エネルギーのある優秀なグローバル人材が必要不可欠です。


―――最後に、御社のグローバル人材採用の戦略を教えてください。

今泉さん ベトナム、ネパール、ミャンマー、カンボジア、スリランカ、インドネシア、中国などから、技能実習生、特定技能、アルバイト(留学生、家族滞在など)など、約850名のグローバル人材が活躍しています。また、登録支援機関の登録も取っていますので、ビルクリーニング問わず、他の企業への人材紹介もしています。ビンさんが所属するキャリアサポートジャパン事業部の力が大きく、実は、採用にまったく苦労していません。

グローバル人材採用戦略について語る今泉社長(写真左)とビンさん(写真右)

私は、グローバル人材を単なる労働力の一つとして捉えていません。当社でどんどん経験を積んで現場責任者として活躍いただき、そのマネジメント経験を活かしてそれぞれの夢を叶えてほしいと思っています。その夢が当社を離れることであっても構いません。
今回のセツさんの特定技能2号評価試験の合格は非常に喜ばしいことです。このような成功事例を増やして、スタッフや当社の可能性を広げていきたいです。


●合格者メッセージ

インタビューの最後に、合格されたセツさんからみなさんに、動画メッセージをいただきました。ぜひご視聴ください。