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補助金・助成金情報#18
『よくある質問③助成金・補助金を不正受給するとどうなりますか?』

2021/02/15 10:00

経営の立て直しに最大200万円の持続化給付金とは?

 年々、助成金・補助金の不正受給に対する罰則が強化されています。

 背景としては、安易に申請を促す悪質業者が非常に多かったことが考えられます。そのような悪質業者は「すぐに簡単に助成金がもらえますよ」と案内しつつも、いざ申請の段階となると、単にひな形に社名を記載するだけの簡単なものを申請書として提出するというケースもあるそうです。実際2020年度はそのような業者が暗躍し、持続化給付金の不正受給が相次いで、社会問題化しました。

 また、助成金・補助金に関する予算も年々増加傾向にあり、はじめて申請に取り組む企業も増加しています。そのため、企業が安易に申請して不正受給するケースをなるべく減少させたいという国の思惑もあります。

そこで今回は、助成金・補助金を不正受給した場合のペナルティについて解説します。

 厚生労働省系の助成金(キャリアアップ助成金等)を不正受給した場合、主に以下3点の罰則を受けます。「1.不正受給額の20%相当の納付金を支払う」、「2.助成金不支給期間の延長と不支給対象者の拡大」、「3.関与した社会保険労務士も厳罰対象」です。この3点について説明していきます。

1.不正受給額の20%相当の納付金を支払う

 今までは助成金の不正受給が発覚した場合、その元本と延滞金のみ支払うことになっていました。しかし、2019年度から労働関係諸法令が改正され、不正受給額の20%に相当する納付金も追加で支払うことになりました。
 実例として、大阪のある企業は既に正社員であった者を非正規から正社員転換したと虚偽申請してキャリアアップ助成金を240万円不正受給しました。支払わなければならない金額は、元本240万+延滞金+納付金240万×20%=288万円以上になると考えられます。不正受給した金額が大きいほど納付金も大きくなります。

2.助成金不支給期間の延長と不支給対象者の拡大

 今までは不正受給が発覚した企業に対して、3年間助成金を支給しないことになっていました。しかし、2019年度からその期間が5年間に延長されます。不正受給した助成金はもちろん、その他の助成金も当然支給されないため、雇用や職場環境の改善にかかる費用がその分増加することになります。
 また、不正受給に関与した企業の役員等が他の企業でも役員等となっている場合、その企業も5年間助成金が支給されないことになります。つまり、社長が別企業の取締役として不正受給に関与することになってしまった場合、助成金を申請できなくなります。複数企業で役員となっている方は不正受給に関与した企業以外にも多大な迷惑をかけることになるため、注意が必要です。

3.関与した社会保険労務士も厳罰対象

 今までは不正受給した助成金の返還はその会社のみ行うことになっていました。しかし、2019年度からは不正に関与した社会保険労務士及び代理人、職業訓練実施者も連帯債務者として返還請求されることになりました。
 また、その不正受給に関与した社会保険労務士は公表されて信用が失墜するだけでなく、5年間助成金申請ができなくなります。
 このようなリスクを恐れて助成金関連業務を避ける社会保険労務士が増加することが予想されます。

 次に中小企業庁系の補助金(ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金等)を不正受給した場合の罰則についてです。
 補助金に関するルールを定めた法律として、補助金適正化法(正式名称:補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)があります。補助金適正化法に違反した場合、「補助金を不正に受給しようとした」と見做されます。

主に以下の行為が不正受給と見做されます。

①発注日を改ざんする
 対象期間以外で発注すると、補助金は支給されません。そのため、「間違って対象期間以外で発注してしまった。発注日を書き換えよう」というケースがあるようです。しかし、これは発注書の日付を改ざんしたことになり、明確な法律違反です。

②実際にかかった費用以上の金額を請求する
 購入した物品やサービスについて、実際よりも高い金額で領収書を切ってもらい、より多く補助金をせしめようとする事業者もいるようです。これは明らかに詐欺ですし、領収書を切った相手も罪に問われる可能性があります。
 補助金の不正受給が明るみになった場合、補助金適正化法にもとづき、受け取った補助金を返還しなければなりません。補助金をすべて返還するまでは、返還していない金額の年10.95%が加算され続けます。
 また、補助金適正化法に違反した不正行為が発覚した場合、「補助金交付等停止措置企業」として、その事業者の名前が中小企業庁または経済産業省のホームページに掲載されます。つまり、その事業者名で検索すると、何をやらかしたのか、大勢の人間に知られてしまうということです。当然その事業者の社会的信用は失墜します。

 助成金・補助金は元をただせば国民の税金であり、本来の目的は労務の改善や生産性向上を会社に促すことです。国からすれば、何もやらずにお金だけもらおうとする企業に対して助成金を支給する必要はありません。また、不正受給が発覚すれば、受給額以上の金額を支払うだけでなく、労働局に公表されるため社会的評価も失墜してしまいます。
 そして最悪の場合、刑事罰を受ける恐れもあります。つまり、国や自治体を相手取った詐欺罪です。詐欺罪は重罪なので、執行猶予はつかず実刑となる可能性が高いです。詐欺罪で有罪になった場合、10年以下の懲役が科されます。

 そのことを考えれば、不正受給することがどれほどハイリスクか理解できるはずです。

【記事提供:株式会社ナビット】
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