補助金・助成金情報#16
『よくある質問① 会社都合で離職させると助成金が申請できない?』
よくある質問① 会社都合で離職させると助成金が申請できない?
キャリアアップ助成金等、厚生労働省の雇用関係の助成金の申請手続き書類は労働局やハローワークに提出します。しかし、担当者から「会社都合の離職者がいるので、書類は受理できません。」と言われる場合があります。雇用関係の助成金は労働者の雇用安定が本来の目的である為、会社都合による離職は助成金の目的に反していると見做されるためです。つまり、「会社都合の離職」があった会社は、一定期間雇用関係の助成金が受給できなくなるということになります。
今回はこの「会社都合の離職」について解説します。
従業員が会社を辞める場合は大きく分けて以下5つのパターンがあります。
①「合意解約」
②「辞職」
③「定年」
④「期間の満了」
⑤「解雇」です。
この中の⑤「解雇」に「会社都合の離職」が含まれます。
「解雇」とは使用者が労働者の労働契約を解除することを意味し、おおよそA)「会社都合の解雇(人員整理など)」、B)「退職勧奨」、C)「懲戒解雇」に分かれます。B)「懲戒解雇」は「会社都合の離職」には基本的に該当しません。また、C)「退職勧奨」は内容や実態によって「会社都合の離職」に該当する場合があります。
会社から離職者が出た場合、言い換えれば雇用保険の被保険者が会社を辞めた場合、「雇用保険被保険者資格喪失届」という書類を労働局かハローワークに提出する必要があります。この書類の記載方法は特に注意しなければいけません。
ある会社の例では、助成金の支給申請時に、「この離職者の雇用保険の資格喪失の原因が『3』なので受理できません。」と言われたものがあります。
雇用保険被保険者資格喪失届の中に、「喪失原因」という欄があります。従業員が辞めた理由について、1.「離職以外の原因」、2.「3以外の原因」、3.「事業主の都合による離職」のいずれかを選択します。1.「離職以外の原因」は、被保険者の死亡などです。2.「3以外の原因」はいわゆる自己都合退職がほとんどです。そして、3.「事業主の都合による離職」が「会社都合の離職」となります。
上記の例の会社では、確かに会社都合の離職などは出ていませんでした。しかし、このわかりにくい表記によって、間違って3.「事業主の都合による離職」を選んでいたのです。今回は本当に間違いだったため、それを訂正し、その後書類を再提出で無事に受理されました。
しかし、本当は会社都合の離職にもかかわらず、助成金欲しさに事実と異なる表記をしたとなれば大問題です。当然助成金の不正受給ということになります。また、会社がよかれと思って本来は自己都合退職の人に「会社都合」としてあげて、早めに雇用保険からの給付(基本手当)がもらえるよう配慮したとします。その場合も不正受給と見做されます。離職の際の書類提出にはくれぐれもご注意ください。不正受給は絶対にしてはいけません。
では、会社都合の離職者を出した場合、実際にどれくらいの期間助成金の申請ができなくなるのでしょう?
アルバイト等の非正規労働者を正規労働者に転換した際に一定額を支給するキャリアップ助成金の場合、対象労働者の転換日の前日から起算して6カ月前の日から1年を経過する日までの間に会社都合の離職者を出した場合、申請ができなくなります。つまり、会社都合の離職者を出した場合、少なくとも6カ月以上キャリアアップ助成金を申請できなくなることになります。
また、対象労働者のトライアル雇用を支援するトライアル雇用助成金も、トライアル雇用開始日の前日から起算して6カ月前の日からトライアル雇用の終了日までに、会社都合の離職者を出すと申請ができなくなります。
経営難により会社都合の離職をさせる場合もあるかと思いますが、人材不足解消を目的に助成金申請を検討するのであれば、なるべく控えた方が良いでしょう。
【記事提供:株式会社ナビット】
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