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【特集】ビルメンテナンス企業における技能・サービス向上への取り組み事例紹介

2022/12/14 10:30

2022/11/14 10:30 更新

日ごろより清掃技能の向上を目指し研鑽を積んでいるビルメンテナンス企業では、顧客へ提供する技能・サービス品質の向上や、社内のモチベーション向上のために、さまざまな取り組みを行っています。

今回の特集では、企業が活動の一環として取り組んでいる「技能競技会」について、技能の研鑽・披露に留まらず「ロボットと人の協働」や「顧客目線」をテーマとした特色ある競技会を開催している2社の事例をご紹介します。


事例1  小田急ビルサービスの取り組み
駅構内を想定した「サービス重視」の清掃技能コンテストを開催

11月16日、小田急線および多摩モノレール(一部)の駅清掃を行う株式会社小田急ビルサービス(本社:東京都渋谷区、取締役社長:菅澤一郎)およびその協力会社による清掃技能コンテストが、小田急健康管理センター(神奈川県海老名市)にて開催されました。

本コンテストは、駅での日常清掃を再現しつつ、作業がマニュアルに沿って行われているか、そして突発的に対応を要する場面に遭遇した際に、駅利用者を最優先にした対応ができるかどうかがポイント。 技術面だけでなく、接客も合わせて「サービス品質」として考え、グループの品質向上のため、小田急電鉄旅客営業部の開催している「接客コンテスト」から着想を得て取り組みを始めた本コンテストは今回で第5回目を迎えました。

会場には、主要な顧客を中心に、日ごろから関係のある事業者も来賓として参加。
駅の環境音を流すなど、よりリアルなものを顧客に見てもらうために、雰囲気作りにこだわるだけでなく、競技開始前にはデモンストレーションを兼ねて「審査ポイント」「見どころ」を解説するなど、自分たちの顧客に対して「見せる」ための工夫が凝らされていました。

本コンテストにはあくまでも普段業務で培った技術・サービスを発揮するために、コート内に旅客を想定したスタッフが入ってくる、忘れ物をしていくなど、より実際に近い状況を再現する試みが取り入れられています。

競技参加選手は、事前情報としては「駅コンコースの拾い掃き」「トイレ清掃」など、作業の大枠しか聞かされておらず、当日どのような会場になっているか、何が起こるかなどは一切伏せられています。
競技開始前の事前解説も、選手たちは別室に隔離された状態で行われており、自分の順番が回ってくるまではほかの参加者の様子が見れないよう別室に待機させるほどの徹底ぶり。

これらは日ごろから自社の物件を管理しているビルメンテナンス事業者がどのように清掃を行い、どのように接客対応しているのか、直感的に分かりやすく伝え、アピールすることがねらいです。

▲駅利用者の忘れ物を駅務室へ届けに行くシーン(写真左)や、作業中に入ってくる駅利用者(旅客)の登場も(写真右)

▲ベンチで腰かけている利用者の足元に落ちているごみをどう回収するかなど、とっさに判断を迷うシチュエーションが複数用意されている

▲終了後にはトレーニングを担当した外部の指導者からのフォローアップも

小田急線、多摩モノレール(一部)の駅の清掃を行う4社5エリアからそれぞれ1名ずつ選出された代表選手たちは、顧客や関係者が見守る中、緊張しながらも日常業務で培った実力を発揮し、無事に演技を終えました。




事例2  テルウェル西日本の取り組み
ビルクリーニング技能競技会2022開催
エキシビジョンでロボット清掃と人間によるハイブリッド清掃デモンストレーション


11月8日、広島市のNTTクレドホールにおいて、テルウェル西日本株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:山田邦裕、以下:テルウェル西日本)のビルクリーニング技能競技会2022が開催され、6地区の予選を勝ち抜いた代表選手による技能競技会と、エキシビジョンとしてロボット清掃と人間によるハイブリッド清掃デモンストレーションが行われました。


競技会は全国ビルクリーニング技能競技会のルールと形式に則り、オフィス専有部に見立てた競技コート内を除塵~洗浄~汚水取~仕上げ拭きの手順で行われ、テルウェル西日本九州支店、古井一美さんが前回大会に続き連覇を成し遂げました。

エキシビジョンでは、2021年度第17回全国ビルクリーニング技能競技会で厚生労働大臣賞を受賞した長田千宏さんと清掃ロボットによるハイブリッド清掃デモンストレーションが行われました。
専用部と共用部に見立てた会場のコート内で、共用部ではオムロン製の「複合型サービスロボット Toritoss」による清掃と人によるスプレーガン作業、消毒作業、専有部では、パナソニック製「小型ロボットRuloBiz」の清掃と人によるガラス清掃、消毒作業が技能競技会の形式に則って実施されました。

ハイブリッド清掃では、ロボットが得意とする専用部や共用部の掃除機がけ、掃き掃除に関してはロボットが行い、人が得意とする複雑で細かい作業、段差や窓といった空間の制約がかかる箇所については、人が対応することで人員不足解消にも大きく寄与すると考えられています。


その後、NTT西日本、テルウェル西日本での共同研究による「異種ロボット間の地図シェアリング」について発表が行われました。
現状の、「ロボ☆メンシステム」では、パナソニック製小型清掃ロボット「RuloBiz」をシステム側で確認し、同時に他社の清掃大型ロボットを別システムで制御していますが、今後は清掃だけでなく警備や配送など、さまざまな領域にも繋がるひとつのロボットシステムとして一元管理できるシステムを検討しています。


これまでサービスロボットを利用するには、ロボットに搭載されたセンサーを用いて事前にロボット専用の地図を作成する必要があり、各ロボットが専用地図を用いてサービス提供を行っていました。

オフィスでの軽微なレイアウト変更や、動かしたい範囲を拡大したい場合など、利用環境の地図に変更があった場合には、レイアウト前の地図を利用するとロボットが正しく作動しなくなることもあり、再度全体のフロアの地図データを取得するという作業が発生します。
さらに各専用地図は、サービスロボットごとのシステムで管理されており、ベンダー独自のフォーマットで地図を作成する必要がありました。

テルウェル西日本とNTT西日本の共同研究では、隣接した地図をひとつの広域地図に統合したり、部分的なレイアウト変更に対する地図更新を実現する地図統合技術と、ロボットの仕様にあわせて地図を変換する地図変換技術を使って、再度前処理をすることなく地図更新やロボットへの地図供給が可能になるシステムを開発しています。

これによって、作業実施範囲を広げたり、空間のレイアウトに変更があっても、地図情報を更新することができ、ある環境で新たにサービスロボットを利用しようとしたときも、別のロボットの地図データがあれば、フォーマットを変換して使用することで再度前処理をすることなく利用することができるので、サービスロボットの実働面でのハードルを軽減できるようになると両社は考えています。



「日本一のクリーンクルー」を決定する
全国ビルクリーニング技能競技会は2023年11月16日開催


全国ビルメンテナンス協会が主催する「全国ビルクリーニング技能競技会」、第18回目となる次回大会は2023年11月16日に、ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2023の会場、東京ビッグサイト(東京国際展示場)東展示棟で開催されます。

各社、自社競技会などでしのぎを削り、地区予選を勝ち抜いた代表選手が持てる技を競いあい、ビルクリーニング技能士の“日本一”を決定する2年に一度の大会です。ぜひお楽しみに。



■関連リンク
●株式会社小田急ビルサービス
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-28-12 小田急南新宿ビル
TEL 03-5333-0010(代表)
https://www.odakyu-bs.co.jp/

●テルウェル西日本株式会社
〒540-0003 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央一丁目7番12号 
TEL.06-4790-8800
https://www.telwel-west.co.jp/