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ビルメンテナンス情報年鑑2024(第54回実態調査結果)

2024/03/01 10:00

全国協会が2023年11~12月に実施した「第54回実態調査」の結果をまとめた『ビルメンテナンス情報年鑑2024』(PDF版)を公開しました。画像をクリックしてご利用ください。


(画像クリックでPDF表示)

第54回実態調査結果の概要

■調査概要
・調査期間: 2023年11月17日~12月25日
・調査方法: 調査票への記入と返送による郵送調査、およびインターネット調査
・調査対象: 全国協会所属会員 2,828
・回収状況: 回収数 923、回収率 32.6%

■経営面
ビルメンテナンス業務の平均売上高は、2021年度で約15.8億円、2022年度で約16.0億円となり、2021年度から2022年度にかけての成長率は前回調査から0.1ポイント増の+1.7%となった。成長率は堅調さを取り戻しつつあるが、コロナ禍以前と比較するとやや見劣りする水準であり、業界全体としては未だ力強い回復には至っていないと考えられる。
2023年度の売上高見通し(対前年度比)は、全体では「4%以上」が35.8%で最多となった。なかでも月商「1,000 万円未満」の平均は+4.6%と比較的高く、コロナ禍以降、回復が遅れていた小規模事業者の復調がうかがえる結果となった。
2022年度の営業利益率の平均は、「5%以上」が34.3%で最多となった。しかし一部の地区では、回答企業のおよそ4社に1社が「0%未満」であるなど、採算の確保が急務となっている事業者も少なくない。


(成長率の推移)

■契約改定率
2023年度のビルメンテナンス業務の契約改定率(継続物件契約額の対前年度比増加率)は、官公庁が前回調査から0.7ポイント増の1.8%、民間が1.5ポイント増の2.1%となった。契約改定率は全体的には向上しているが、賃金の上昇幅と比較すると伸びは小幅であり、コスト増を売上に転嫁できていない事業者も多いと推察される。


(契約改定率の推移)

■賃金
常勤従業員とパートタイマーの各職種の平均賃金は、前年度比104~106%と比較的高い水準となった。人手不足の深刻化や最低賃金の上昇も相まって、業界全体で賃金が押し上げられている状況とみられる。


(常勤従業員の中途採用募集時の平均月給の推移)


(パートタイマーの平均時給の推移)

■事業環境
ビルメンテナンス業の悩みごとは、今回も「現場従業員が集まりにくい」が90.4%で最多となった。
悩みごとの上位回答の顔ぶれに変化はないが、「オーナーに契約料金の交渉が難しくなっている」は前回から8.7ポイント減の45.8%となり、各種コストの高騰が鮮明となる中、多少は価格交渉しやすい環境に変化してきていることがうかがえる。


(業務における悩みごとの推移)

■参考リンク
歴年の実態調査の概要