補助金・助成金情報#120
事業計画作成時の必須ツール!自社の現状を把握する「SWOT分析」とは?
現在、ものづくり補助金、事業再構築補助金、省力化投資補助金など、各種大型補助金の公募が続々とスタートしています。これら補助金の採択結果は、提出する事業計画の完成度によって大きく左右されます。
事業計画書には、事業概要の説明だけでなく、申請企業が自社の強み・弱みを的確に理解していることも求められます。なぜなら、企業活動は自社の経営資源や課題に基づいて構築されるべきものだからです。
たとえば、「AIがトレンドだからAIを活用した事業に挑戦する」といった理由だけでは、採択は極めて困難です。「仕分け作業を人力で行っており、従業員への負担が課題。その解決策としてAIを導入する」「経営コンサルティング事業で培った知見を活かし、経営診断ツールの開発にAIを活用する」といったように、自社の強みや弱みと結びついた事業計画が求められます。
こうした強み・弱みの分析に役立つフレームワークが「SWOT分析」です。SWOT分析は、自社の内部環境(強み/弱み)と外部環境(機会/脅威)を整理し、事業の方向性を明確にする手法です。
ここでは、ナビット社がコロナ禍の「事業再構築補助金」に採択された「在宅SOHO型コールセンター事業」を例に、各要素についてご紹介します。
まず内部環境から見ていきます。ナビット社の「強み」は、豊富な人的ネットワークにあります。全国に6万人を超えるSOHO登録スタッフを有しており、在宅型コールセンターを運営するための人的基盤が整っていました。さらに、約680万社分の法人データを保有しており、営業リストとして活用できるリソースも充実していました。
一方、「弱み」としては、当時のSOHO業務の多くが外出を伴う写真撮影などのフィールド作業であったことが挙げられます。コロナ禍における緊急事態宣言の影響で外出制限が強まり、SOHOスタッフを十分に活用できない状況が発生していました。
次に外部環境です。「機会」としては、コロナ禍に伴い外出自粛の動きが加速し、在宅ワークの需要が急激に高まった点が挙げられます。加えて、全国的な人材不足が背景にあり、企業のコールセンター業務を外部委託するニーズも増加傾向にありました。
一方で、「脅威」となったのは、感染対策の一環として企業の訪問営業機会が減少し、それに伴いナビット社が保有する法人データの活用機会も減ってしまったことです。
このような分析を踏まえ、ナビット社は「強み」と「機会」を最大限に活用し、「弱み」と「脅威」を克服するための方策として「在宅SOHO型コールセンター事業」を立案し、補助金採択を実現しました。
このように、SWOT分析を活用して事業計画を練り上げることで、審査担当者からの評価を高めることが可能です。また補助金申請に限らず、自社の経営状況を俯瞰し、今後の経営戦略を策定する上でも大きなメリットがあります。
ただし、SWOT分析には注意すべき点もあります。分析者の主観に偏り、誤った結論に至るリスクがあるため、数値データや統計情報を活用した客観的な分析を心掛けることが重要です。さらに、社内複数名でのディスカッションや第三者のレビューを取り入れることも有効です。
また、SWOT分析は情報を4つのカテゴリに単純化するため、状況の捉え方が限定的になる可能性もあります。補助金申請用の事業計画書には適していますが、より正確に自社を把握したい場合は、中小企業診断士など専門家の助言を受けたり、他の分析手法を組み合わせて活用したりすることを推奨します。
SWOT分析(ナビットの場合)
| プラス | マイナス | |
|---|---|---|
| 内部環境 |
〇強み ・6万人以上のSOHOスタッフ ・680万社以上の法人データ |
〇弱み ・コロナ禍によりSOHOが外での業務を避け、人的リソースを有効に活用できていない |
| 外部環境 |
〇機会 ・在宅ワークの需要増 ・コールセンターのアウトソーシング需要増 |
〇脅威 ・対面による営業機会の減少に伴う法人データの需要減 |
| ⇒在宅SOHOを活用したコールセンター事業 | ||
【記事提供:株式会社ナビット】
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