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インタビュー記事

#01

カーペットクリーニングの常識を変える画期的なクリーニング剤

株式会社S.M.S.Japan
代表取締役 尾上武樹様

S.M.S. Japan は、メンテナンスクリーニングが進むアメリカで築いた経験と実績を活かし、最新の洗剤や機械を輸入販売している。カーペットの染みとり、鏡についたウロコの除去など、悩ましい汚れを簡単に解決できる商品群が同社の特長だ。メンテナンスのコンサルティング支援もしており、クリーニング技術は動画やマニュアルでWeb公開している。代表取締役の尾上様に、商品の特長や効果的なクリーニング手法について伺った。

カーペットの染みとりを可能にする洗剤

―貴社で扱っている商品について教えてください

弊社では洗剤や清掃資機材などのビルメンテナンス商品を輸入販売しています。中でも「ケミカル」と呼ばれるクリーニング剤は種類が豊富です。他に鏡やステンレスの水あか除去クリーナー、大理石の研磨用資材や消臭関連など、メンテナンス現場の悩みに直結する商品が当社の強みで、今回の展示会でも紹介する予定です。

―輸入販売をはじめたきっかけは何でしょうか?

私自身が長年、アメリカでカーペットクリーニング業界に関わっていたのですが、ある時「カーペットの染みがとれない」という相談を日本の知人から受けたことがあります。カーペットクリーニングが一大産業として成り立っているアメリカにはきっと解決方法があるはずだと思って詳しい人に聞いたところ、「このステインマジックという洗剤を使ったらコーヒー染みでもとれるよ」と教えてくれました。さっそく日本から送ってもらったサンプルで実験をしてみると、本当にとれたんです。日本では当時「カーペットの染みはとれない」ということが常識のようになっていたので、この洗剤を広めて常識を変えたいと思い、輸入販売をはじめることにしました。

―導入はスムーズだったのでしょうか?

実は当初は、アメリカ側から輸出だけをしていました。しかし良い製品なのにどうも反応が悪く、売れ行きもあがりませんでした。理由を調べる中で気づいたのは、日本とアメリカのカーペット文化の違いです。アメリカはカーペットクリーニング担当のプロフェッショナルが職業にもなっているくらい、メンテナンスを依頼する先が多いんです。ビルだけではなく一般家庭でもプロに依頼することがあります。一方日本はワックス床が主流だったため、カーペットのメンテナンスがそれほど活発に行われていないのが当時の状況でした。そこで拠点を日本に移して、商品紹介だけではなく、ノウハウや技術もあわせて紹介するところからはじめました。

素材を痛めずに高い効果が出ることを重視

―ホームページでもノウハウを公開されていますね

はい、カーペットクリーニング全体の技術向上が第一だと思っていますので、質問されるテーマを動画にしたり、マニュアルをホームページからダウンロードできるようにしています。カーペットを張り替える話も聞くことがありますが、メンテナンスを重ねれば10年以上使うことができるのです。
メンテナンスで最も重要なのは日常管理です。表面のほこりを除かないと徐々に編み目に入り込んでしまい、それが目立つ汚れになってしまいます。特に、重歩行路線と言われる場所は汚れがたまります。端ではなく人が歩く部分こそ、日常的にバキューミングする必要があるのです。アメリカだと「インドアエアクオリティ」と言われる室内の快適さは訴訟問題にもなることがあり、企業のメンテナンス意識がかなり高まってきています。

―扱っている輸入商品の特長は何でしょうか?

効果があり、かつ素材を痛めないという商品に限って弊社では扱っています。たとえばプラスチックを清掃する時に、アルカリ性が高い洗剤を使うと早く汚れは落ちるのですが、プラスチックが脆くなってしまうのを見たことはないでしょうか。強い洗剤は効果があっても素材を痛めてしまうことがあります。弊社で扱っている洗剤類はどれも科学的な合理性をもってつくられていますので、用途別に選んで使えば効果を出せます。お客様の財産を傷つけずにメンテナンスできることを最も重視しているのです。

―使い方は難しくないのでしょうか?

理解して使って頂ければ問題ありません。たとえばコーヒーの染みとりに効くとご紹介した「ステインマジック」は、A液とB液という2液を混ぜて使う商品です。カーペットの合成染料には影響せず、染みの有機色素だけに働きかけるつくりになっているのですが、それを理解して説明通りに使えば、確実に効果を出すことができます。他にも前処理剤、セミドライ用、回収剤などの用途別クリーニング剤があるのですが、是非目的にあわせて駆使して頂けたらと思っています。

クリーニングノウハウの普及も積極的に実施

―ノウハウは、どこかで学べるのでしょうか?

アメリカだとクリーニングの技術基準をつくっているNPOがあり、そこで講習や認定を行っています。日本でも同じようなスキルアップ機関をつくりたいと思い、カーペットの染色、張り替え技術、消臭技術などが学べる場を、今、同業の仲間とはじめています。

―ノウハウが活かされた事例はございますか?

クリーニングの応用で、レストレーションビジネスという領域があります。水害や漏水からカーペットを復旧するような取り組みです。私は以前から海外のコンベンションで事例やノウハウを学んでいたのですが、それが東日本大震災の後に活きました。震災時にスプリンクラー設備が落下してカーペットが水浸しになってしまった会社があり、その復旧相談に関わることになったのです。オリジナルカーペットだったのですぐ取り替えることもできず、何とかクリーニングで復旧できないかという話でした。初めての経験だったのでアメリカの知人からもアドバイスをもらい、弊社に在庫があったレストレーション用の洗剤を使って最終的には完全に復旧することができました。
こういう経験がその後も蓄積されていますので、「こういう悩みを解決できないか」という相談には広く対応できるようになってきました。展示会では染みとりなどの実演もお見せできますので、是非直接お声がけください。

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