(取材:2025年12月)
東海ビルメンテナスグループでは、売上規模約95億円、従業員2,900名の体制の中で、約600名の外国人材を雇用しています。正社員として高度人材(技人国)50名、そのほか特定技能、留学生、家族滞在等を含めた構成です。
国籍はベトナム、フィリピン、ネパールが中心で、この3カ国で外国人材全体の約8割を占めています。そのほかタイ、インドネシア出身者も在籍しています。
外国人材の約9割はホテル清掃現場や各支店・営業所に配置されており、同社の現場運営を支える重要な戦力となっています。
会社規模と外国人材雇用の位置づけ
グループ全体で多数の従業員を抱える同社では、外国人材の雇用は特別な取り組みではなく、日常的な事業運営の一部として位置づけられています。
特定技能は約100名在籍し、
ホテル清掃を中心に一般清掃現場などに配置
しています。
現場によっては外国人比率が6~7割に達する
ケースもあります。
ホテル清掃を軸とした配置運用
ホテル清掃では、
・作業前準備と朝礼
・4~4.5時間の客室清掃
・片付け、翌日準備、終礼
を経て、
1日7時間程度の勤務
となります。
特定技能人材については、
客室稼働状況に応じて追加作業を組み込み、8時間勤務に近づける
工夫も行っています。
労働時間の確保にあたっては、ホテル側と調整
を行いながら運用しています。

高度人材を軸にした現場マネジメント
高度人材(技人国)がリーダー
を務め、
・シフト作成
・通訳・翻訳
・業務指導
・新規受け入れ時の教育
を担当しています。
特定技能人材や家族滞在者を束ねる体制
を構築しており、
日本人管理者が最終確認を行う
形で運営しています。
外国人材の中で育成循環が生まれている
点が特徴です。
外国人雇用を支える専門部署
2020年より「
外国人雇用推進部
」を設置し、外国人5名・日本人5名の体制で運営しています 。
主な役割は
・住宅準備および生活必需品の整備
・3日間の受け入れ研修
・定期面談
・生活相談・通院同行
・管理者向け外国人雇用研修の実施
です。
現場任せにせず、全社的な受け入れ体制を整備
しています。
日本語理解を重視した運用方針
業務上の基本言語は日本語としています。
外国人同士で固まって母国語のみで会話する状況は避ける
よう伝えています。
一方で、過度な特別扱いはせず、
日本人と同様に「できることは任せる」「必要なことは明確に伝える」という姿勢を徹底
しています。
この
フラットな関係性が、現場定着の土台
となっています。

近年感じている変化と課題
近年はSNS等を通じた情報共有の影響もあり、転職事例が増加しています。
今後は育成就労制度の開始により、外国人材の流動性が高まる可能性もあります。加えて、国別人材の質の変化や獲得競争の激化も課題として認識されています。
従来の
「一定期間は定着する」という前提だけでは運営できない環境
に入りつつあります。
まとめ
東海ビルメンテナスの取り組みからは、
・外国人材の活用が会社の通常の運営の中に組み込まれている
・高度人材による現場リーダー体制
・外国人雇用推進部による専門的バックアップ
・転職増加という環境変化への対応課題
が読み取れます。
企業データ
東海ビルメンテナスグループ
神奈川県小田原市本町1-13-6
売上規模:95億円
従業員数:2800名
外国人材人数:350名



