
株式会社朝日ビルメンテナンス 清掃事業部 野村 悟史様
(取材:2026年1月)
朝日ビルメンテナンスは、売上約21億5,700万円、従業員約480名(子会社含む)の体制で外国人材を受け入れています。外国人採用は2019年から開始し、コロナ前から継続して取り組んできました。
現在は、
・特定技能:10名(インドネシア)
・技能実習:9名(ミャンマー)
に加え、3月末に6名の入国を予定しています。
将来的には「技術・人文知識・国際業務(技人国)」資格の取得を視野に入れ、現場責任者や指導役を担える人材育成を目指しています。
オフィスとホテルを組み合わせた勤務体系
外国人材は主にオフィスビルとホテルで勤務しています。
・朝7時からオフィスビル清掃
・10時〜15時でホテル勤務
・必要に応じて再度オフィス業務
といったローテーション制を採用しています。
全員が同一パターンではなく、オフィス専従者もいます。残業機会は均等になるよう調整しています。
現地面接と国別方針
採用は必ず現地面接(オンサイト)で実施
しています。
送り出し機関を複数比較し、現地の状況を直接確認した上で決定しています。
国別の特徴として、
・ミャンマー:条件重視の傾向
・インドネシア:将来目標を持つ傾向
という違いを同社では感じており、現在はインドネシアを軸に採用を進めています。
インドネシア人材は日本語能力が高く、面接途中で通訳を外して実施できるケースも
ありました。
キャリアマップによる定着設計
現在、
外国人向けキャリアマップの整備
を進めています。
・
現在のレベル
・
次に目指す段階
・
責任範囲の拡大
を明確にし、
評価基準を言語化
することで、
モチベーション維持と長期定着
につなげています。
また、定期的に新規入国者を受け入れることで、既存人材が「先輩」として育成に関わる構造も作っています。
生活支援体制の違い
住居は法人契約で2DKに2名ずつ入居させています。
技能実習生は監理団体が遠方にあるため、
社内チームが24時間体制で生活面をサポート
しています。
一方、特定技能は福岡の登録支援機関が生活支援を担当しています。
当初は4人同居としていましたが、
生活習慣の違いや掃除当番の分担を巡る行き違い
が生じることもありました。
また、生活習慣や食文化の違いなどから、住居周辺で臭いについて指摘を受けることもありましたが、現在はほとんど見られなくなっています。
こうした経験を踏まえ、現在は2DKに2名ずつの入居とし、
事前に生活ルールを明確に説明する
体制に改めています。
体調不良時の連絡・対応フローも整理
し、生活面の支援体制を強化しています。
顧客理解と現場調整
外国人材をオフィスビルに配置する際には、
導入初期にビルオーナーへ事前説明を行い、理解を得る取り組みを進めました。場合によっては顔合わせの機会を設ける
など、段階的に信頼関係を築いてきました。
現在では
外国人配置が定着し、新規入国者の受け入れ時に簡単な紹介を行う程度で業務が進む
ようになっています。 ヒジャブ着用については、過去に認められなかった現場が1件ありましたが、それ以外では大きな問題は生じていません。顧客側の理解は徐々に広がっています。

AI活用と業務マニュアル整備
業務指導ではChatGPTやGeminiを活用し、細かなニュアンスを翻訳して説明
しています。
「わかった」と言っても実際に理解していないケースに対して、実践後にAI翻訳で補足説明する方法が効果的です。
現在は、
清掃マニュアルの体系的見直しも課題
となっています。
最大の課題は住居確保
現在最大の課題は 住居の確保 です。 外国人の入居が可能な物件は限られており 、入国時期が近づいても住居が確定しないことがあります。 住居確保まで対応できる登録支援機関を選定する 理由の一つにもなっています。
まとめ
朝日ビルメンテナンスの取り組みからは、
・現地面接による慎重な採用が大切
・技人国を見据えた長期育成方針がある
・国別特性を踏まえた戦略転換を行っている
・キャリアマップによる定着設計を進めている
・AIを活用した業務指導が有効
・住居問題への継続的対応が求められる
が読み取れます。
企業データ
株式会社朝日ビルメンテナンス
福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目1−1
売上規模:21億円
従業員数:480名
外国人材人数:25名


