1か月本社研修を軸に育てる外国人材の戦力化モデル

株式会社ビークルーエッセ 人事部部長 中村成男様 大阪支店部長 高倉昌信様 大阪支店支店長 中路剛様 大阪支店課長代理 庄司浩太様 大阪支店課長代理 西村由佳様 人事部 中村成男様
(取材:2026年2月)

ビークルーエッセは、売上約48億円、従業員約1,950名のうち約140名が外国人材です。技能実習生・特定技能を合わせて約120名が在籍し、全体の7%強を占めています。
国籍はインドネシアが約7割、ベトナムが約2割。そのほかネパール、中国、韓国など約10か国に及びます。
2018年2月にベトナム人技能実習生7名を受け入れたことを契機に本格的な外国人採用が始まりました。その後、コロナ禍を経て、2023年頃からインドネシア人へと軸足を移しています。

宗教・文化への配慮と実務対応

インドネシア人の受け入れにあたっては、 イスラム教への対応 が検討課題となりました。
・1日5回の礼拝
・ラマダン期間の断食
・ヒジャブ着用

などへの不安があったものの、 事前に受入条件を整理し、組合とも連携 することで実務上支障のない体制を整えています。
また、以前在籍していたインドネシア人の「技・人・国」資格の社員から文化的背景の情報を得られたことも、スムーズな受け入れにつながりました。

女性中心の配置と現場運用

外国人材は圧倒的に女性が多く、これはトイレ清掃などの業務特性や顧客要望を踏まえた配置方針によるものです。
業務は主に午前中の日常清掃が中心です。午後は、
・リセット清掃
・欠員補充
・新規現場でのOJT指導
・日本語学習

などに充てられています。
日本語能力の高い実習生が、日本人新人スタッフを指導するケース もあります。
地方拠点では、公共交通機関の手段や利用時間帯が限られているため、宿舎移転や自転車・電車の組み合わせなど、移動面での工夫も行っています。

1か月間の本社集中研修

ビークルーエッセの特徴は、組合研修後にさらに 1か月間の本社研修 を実施している点です。
内容は、
・日本の生活ルール
・通勤マナー
・ゴミ出しなど地域ルール
・正しい清掃技術
・安全衛生教育
・日本語教育
など多岐にわたります。
時間配分は、 技術・専門知識が約6割日本語・生活習慣がそれぞれ約1割 とされています。
研修期間中は 先輩の特定技能人材がサポート役として付き、実技指導や通訳補助を行います。 最終日の朝礼では、指導役を務めた特定技能人材が挨拶を行います。新人技能実習生との関わりや指導の苦労を振り返りながら話す姿に、感極まる場面も見られます。その様子は周囲の社員にも伝わり、 現場全体に前向きな雰囲気 を生み出しています。
この仕組みは、 新人育成だけでなく、指導側の成長 にも十分につながっています。

住居管理と生活支援

本社近くに昨年の秋から建物を借り上げ、本社研修期間中は宿舎として運用しています。
配属後の宿舎は、シフト勤務の時間帯にも配慮し、1人1部屋を確保しています。

日本語教育と評価制度

日本語教育は、外国人材を雇用するうえで会社としての最重要課題の一つと位置づけています。日本人とのコミュニケーションだけでなく、 多国籍の人材が日本で共に働くうえでの共通言語は日本語 であるという考え方にもとづき、日本語力の向上に取り組んでいます。
日本語の習得を通じて、清掃業務の理解や安全意識、日常生活における社会性なども含めた教育につなげ、 「会話力」を中心とした日本語力の向上を図る ための教育スキームを現在構築しています。
その一環として、 勤務日には日報を日本語で提出してもらい、上司や先輩がコメントを返す 形で文章によるコミュニケーションを行っています。こうした取り組みが、日本語力の向上にもつながっています。また、日本語能力検定の受験を奨励し、合格者には報奨金を支給。受験料は3回まで会社が負担しています。
日本語力の向上が、業務の幅や責任範囲の拡大に直結する という考えのもと、評価制度にも反映させています。

特定技能2号への挑戦

特定技能2号取得も目標としていますが、合格率は約10%と非常に厳しい状況です。
マネジメント経験の積み方や受験準備のスケジュールについて、品質管理室と協議を重ねて受験対象者へ個別に対応しています。
単なる清掃作業者ではなく、将来的には現在、日本人社員が担っている業務管理業務を任せられる人材の育成 を視野に入れています。

まとめ

ビークルーエッセの取り組みからは、
・1か月本社研修による基礎固めや実践力の養成
・先輩人材や日本人社員も寄り添った伴走型育成
・「会話力」を中心とした日本語力の向上
・宗教・文化への実務的対応
・特定技能2号資格取得を見据えた業務スキルアップを目指す育成設計

が読み取れます。

企業データ
株式会社ビークルーエッセ
山口県周南市新地3-5-18

売上規模:48億円
従業員数:1950名

外国人材人数:140名(うち、技能実習・特定技能120名)

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