病院現場の担当制を軸に進める多国籍人材の受け入れ

滋賀双葉ビル整備株式会社 代表取締役社長 増田雄一様
(取材:2026年2月)

滋賀双葉ビル整備は、売上約8億円、従業員約300名規模の地域密着型ビルメンテナンス企業です。
そのうち約20名が外国人材で、ホテルや病院を中心とした清掃業務に従事しています。
地方における慢性的な人手不足を背景に、段階的に外国人材の受け入れを進めてきました。 単に人数を補うのではなく、現場の実情に合わせた支援体制を整えている 点が特徴です。

多様な国籍と現場展開

外国人材の国籍は、ベトナム、スリランカ、ネパール、中東系、ペルーなど多岐にわたります。 特定の国に限定せず、その時々の採用状況に応じて受け入れ ています。
配置現場は、ホテル客室清掃やパブリック清掃、厨房清掃に加え、500床規模の病院清掃まで幅広く展開しています。
特定技能の人材は病院でフルタイム勤務し、技能実習生は日本人スタッフとペアで作業を行うなど、 在留資格や経験に応じて配置を工夫 しています。
業務を細かく限定するのではなく、現場の運営状況に応じて柔軟に役割を担っていることが特徴です。

病院現場での担当制による伴走支援

特に病院現場では、技能実習生や特定技能外国人一人ひとりに、 仕事と生活の両面を相談できる担当者を設定 しています。
担当者は、日々の業務指導に加え、 生活上の相談や通院時の付き添い、住居に関する対応、日常的な声かけ なども担っています。 仕事面だけでなく、生活面も含めた伴走型の支援 です。
この取り組みは 病院現場に限定 したもので、すべての現場に一律で導入しているわけではありません。 現場の規模や特性、勤務形態に応じて支援の形を変えています。 現場に合わせて制度を設計する柔軟さが、定着を支えています。

業務理解を深める多言語対応

教育面では、病院清掃従事者向けの専門研修を実施しています。 医療機関特有の衛生管理や作業手順を理解 してもらうことを重視しています。
ベトナム語のテキストを活用し、入社時書類も英語やスペイン語に対応しています。AI翻訳も活用しながら、作業手順や注意事項をできる限り母語で理解できるように工夫 しています。
さらに、 現場で使用する清掃用語の単語テストを作成 するなど、実務に直結した教育を行っています。抽象的な日本語教育ではなく、「現場で使う言葉」に焦点を当てています。

地域企業としての現実的な課題

一方で、課題も少なくありません。特定技能2号への移行はハードルが高く、外国人材が管理業務などを担う場合に必要となる技術・人文知識・国際業務(技人国)の取得も容易ではありません。
また、 地方賃金の水準は都市部に比べて高くはなく、人材獲得競争の面では厳しさ があります。住居の確保や管理の負担も、受け入れ企業側にのしかかります。
それでも、 地域で安定的にサービスを提供し続けるためには、外国人材の受け入れは不可欠 な選択肢だと増田氏は語ります。

まとめ

滋賀双葉ビル整備の取り組みからは、
・売上8億円規模の地方企業でも多国籍人材を受け入れる
・病院現場限定の担当制が定着を支える
・多言語対応と実務重視の教育が戦力化につながる

が読み取れます。

企業データ
滋賀双葉ビル整備株式会社
滋賀県大津市大萱1丁目4−19

売上規模:8億円
従業員数:300名

外国人材人数:20名

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